1頭の動物が殺した人数ランキングTOP5【人の味を覚えてしまった・・・】

『世界で一番人間を殺している動物の種類は「蚊」である』というデータはあまりにも有名だ。

では、1匹が殺した人数だとどの動物が1位なのだろうか?

今回のランキングは1頭が殺したとされている人数をもとにランキングを作成した。

 

目次

人間の味を覚える

今回のランキングに登場した動物たちは全て人間の味を覚えてしまったためにこれだけの被害を出している。

人間の味を覚えるとはどういうことだろうか。

基本的に肉食動物は自分が簡単に狩れる獲物しか狙わない。無駄なケガを負いたくないためだ。しかし、野生動物の中でも人間はかなり弱い部類に入るはずなのに狙われることは少ない。

これは、二足歩行で目の位置がかなり高い場所にあるため、四足歩行の動物は大きさを誤認してしまうためだとされている。

しかし、1度人間を襲って食べると、狩りの簡単で、栄養価も高いことを覚えてしまい、人間を好んで狙うようになってしまうのだ。

 

そのため、人間を一度でも襲ってしまった動物はハンターにより射殺されてしまう。

 

前置きはこれくらいにして、ランキングを見ていこう。

 

6位 ヒグマ / 7人

日本では敵なしの動物ヒグマ。

爪は10cm以上あり、切れ味はカミソリ。太い腕で殴ればライオンの首をへし折る威力。100mを6秒で走る脚力に、300kgの体重。よくよく考えると、とんでもない生き物が日本にも住んでいることに恐怖すら覚える。

1頭のヒグマが出した被害の世界記録はなんと日本での事件だ。

『三毛別ヒグマ事件』で人間を7人殺した(2年後に後遺症で死亡した男の子を含めると8人)エゾヒグマが最大の人数。

他にも有名なクマによる被害が日本で起こっている。

クマによる主な被害

  • 石狩沼田幌新事件・・・4人
  • 秋田県鹿角市十和田大湯事件…4人(ツキノワグマ)
  • 福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件…3人

特に福岡大学の事件は被害者の1人が手帳に記録を残しているため、恐怖が生々しく伝わってくる。

 

5位 オオカミ / 30人

オオカミは犬の祖先にあたる生き物。

日本人にとって犬=飼い犬だが、世界にはまだ野生のオオカミが生息している地域がある。特にヨーロッパではオオカミによる被害が多数報告されている。

とくに有名なのが、1700年代にフランスに現れたthe Beast of Gevaudan(ジェボーダンの獣)と呼ばれる2頭のオオカミだ。少なくとも60人以上は人を食い殺している。

これら2頭は純粋なオオカミではなく、イヌとの混血だったとの記録が残っている。野生のオオカミは人を恐れるが、元々人に飼われていたが野生化した犬は、人を恐れずに襲ってくるようになる。

オオカミによる主な被害

  • ミバート…161人(群れでの犠牲者数)
  • クルトー…200人(群れでの犠牲者数)

これらの事件はどちらも中世ヨーロッパで起こった。このころのヨーロッパは各地で戦争が起こっており、戦死者やケガをして弱った人を襲っていたようだ。

4位 ライオン / 84人

ライオンといえば百獣の王と呼ばれ、強者の象徴として扱われている動物だ。その名の通り生息地のサバンナでは捕食の対象になることはない。(※サバンナで最強かと聞かれれば疑問は残るが。)

さらに、ライオンは集団で狩りをする。人間がライオンの集団に狙われれば一溜まりもない。

サンガで起こったライオンによる被害では、1つの群れが人間の味を覚えてしまい、数百人が犠牲になっている。その中の1頭は特に人間に執着し、84人を襲って食べてしまった。ランキングの参考にした被害者数は、1頭のライオンによるものである。

集団によるものではクルーガー国立公園で起こった被害で、数千人が犠牲になっている。これはプライドと呼ばれるライオンの群れによるもので、10年間の累積の被害者数となっている。

ライオンによる主な被害

  • ツァボの人食いライオン(2頭)…9ヶ月で合計28人(一説では135人)
  • タンザニア南部の腫瘍持ち老ライオン…35人
  • タンガニーカ周辺の被害…1500人

この中でも特に有名なのがツァボの人食いライオンではないだろうか。この事件が特に有名な理由は、人間が集団で生活しているにも関わらず、2頭で襲っている点である。

普通ライオンは集団でないと狩りをおこなわない。確実に勝てる相手にしか1対1の戦いは行わないのだ。それなのに、人間の集団を襲うということは完全に人間しか狙っていなかったということが分かる。

3位 ワニ  / 300人

ワニはその狂暴な見た目の通り、最強のハンターの名を欲しいままにしている。動物界最強と言われる咬合力。噛みついたらすぐに体を捻って獲物をねじ切り丸のみにしてしまう。『動物の噛む力ランキング

どれをとっても獲物を殺すことに特化している能力だ。

こんな動物が人間のことを餌と認識したらとてつもない被害が起こる。

東アフリカのブルンジ共和国では巨大ワニ1頭による被害が報告されている。ブルンジはタンザニアやルワンダと国境を接している。タンザニアとの国境には「タンガニーカ湖」という世界で6番目に広い湖がある。『世界一広い湖ランキング

この湖で巨大なナイルワニ(通称ギュスターヴ)が300人を超える人を襲って食べてしまった。ギュスターブの体長は8m、体重は1tを超えており、規格外の大きさだ。ギュスターブが人を襲うようになった理由は人間にあるとされている。ブルンジでは内戦が続いており、戦死者の遺体をこの湖に埋葬していた。この遺体を食べ、人間の味を覚えたようだ。

ワニによる主な被害

  • ウガンダのビクトリア湖…83人

ワニはランキングに登場した動物の中で唯一、水中に生息している。そのため、同一の個体が襲ったのか別の個体が襲ったのかを判別しにくい。

もしかすると、同一の個体が大量の犠牲者を出しているかもしれないが、記録として残っているのはギュスターブとビクトリア湖の事件だけのようだ。

 

2位 ヒョウ / 400人

意外かもしれないが、ヒョウは一番成功しているネコ科動物とされている。生息域がアフリカからアジア、ロシアと広く、それだけ適応能力が高いことが理由だ。肉食動物でここまで生息域を広げている種は少なく、狩りが非常に上手くないとここまでの繁栄は不可能だ。

体長は180㎝、体重は100㎏程度しかない。ライオンの半分以下の体格だ。

ヒョウはライオンとは違い単独行動で生活を行う。かなり大胆な性格のようで自分の体重の10倍近い大型の鹿「エランド」を襲って仕留めることさえある。ヒョウの狩りは一撃必殺。樹上な物陰に隠れて、一瞬で獲物の喉に噛みついて殺してしまう。

最近では住宅街にも進出して、家畜やペットを食べてしまっている。

インド北部のパナールでは「Man-Eater of Panar(パナールの人食い)」と呼ばれる1頭のヒョウが400人を食い殺している。

このヒョウが人間を襲うようになった理由は、森に捨てられていた人間の遺体を食べ続けたためだとされている。この当時パナールでは伝染病が蔓延しており、感染者の遺体を森に捨てていた。

ヒョウによる主な被害

  • クマオンの人食いヒョウ(2頭)…525人
  • Kahani…200人超
  • ルドラプラヤグ…125人
  • バーガルプル…82人(公式以上の被害が有り実際は350人と言われている)

有名な事件はほとんど100人越えの犠牲者をたたき出している。ネコ科の中でそこまで大型ではないのにこれだけ狩りが上手いということは、ヒョウがここまで反映したのも必然なのかもしれない。

 

1位 トラ / 436人

ネコ科最大にして、『最強の動物ランキング』でも上から数えた方が早い。

大型のものは3m近くまで大きくなり、体重は300㎏を越す。狩りは意外と下手で、10回に1回くらいしか成功しない。しかし、狙う獲物は大きいものでは体重600㎏を越すスイギュウなど。自分より大きな獲物にも襲い掛かる。人を乗せた象にも襲い掛かる映像が残されている。

トラの被害での最多記録はChampawat(チャンパーワット)での事件。公式記録で436人もの人を食い殺している。1頭の動物による殺人の最多記録としてギネスブックにも掲載されている。

チャンパーワットの人食いトラは元々ネパールに住んでいた。そこで200人を食い殺したところで、ネパールは軍隊を投入して射殺を試みたが、インドに逃げてしまう。

移動先のインドでは236人を食い殺し、最後はジム・コルベットというハンターによって射殺された。

このトラを解剖してみると、牙が折れ、前足の詰めも欠損していた。そのため、鹿などの獲物を狩れずに、簡単に狩ることができる人間を襲うようになった。

トラによる主な被害

  • ガンジス川下流デルタ地帯…129人

この事件ではトラに襲われないように仮面を後頭部につけて生活をするようにしていた。トラは背後から襲い掛かる習性があり、見開かれた仮面の目が襲うのをためらわせる効果があったそうだ。

もし、トラの生息域に旅行する場合は仮面を持っていこう。

 

まとめ

人間も美味くて、手頃な食べ物があればそればかりを食べてしまう。

ランキングに入った動物たちも同じように、手に入れやすくて美味しい獲物を食べていただけなので手放しで避難することはできないような気もする。

 

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