大量絶滅後も生き残る生物ランキングTOP5

地球は奇跡の星と呼ばれることもある。

温度、重力、豊富な水、大気の構成、放射線量。

これらが生物が生存しやすい絶妙なバランスで保たれている。

例えば、お隣の火星では、大気は二酸化炭素ばかりだし、温度も昼と夜で変化が大きい。

太陽との距離が多少変わっただけでもこれだけの差が出るのだ。

 

生物は奇跡の星のおかげで繫栄してきた。

しかし、この完璧な環境を壊す現象が起こる可能性もある。

隕石の衝突、太陽活動の低下、核戦争。

これらの急激な環境変化に耐えうる生物をランキング形式で紹介しよう。

目次

5位 ネムリユスリカ

ネムリユスリカは漫画「テラフォーマーズ」でも取り上げらていたのでも乾眠状態になることができる生物だ。

乾眠状態とは

代謝速度を遅くして体内の水分量を極限まで減らした状態。乾燥状態など生存が難しい環境になると、体の水分を極限まで抜きガラスに似た固形状態となる。この状態では絶対零度(-273℃)に近い低温から150℃の高温まで、圧力に対しては0気圧(真空状態)から75,000気圧まで、放射線も人間の致死量の 1,000倍以上まで耐えられる。

ネムリユスリカはアフリカの乾燥した地域に生息し、半年以上雨が降らない乾季を乗り越えるために進化したと考えられている。

ネムリユスリカも日本の蚊と同じように水たまりに卵を産み、幼虫は水たまりで成虫まで成長する。その間に水たまりが蒸発した場合に乾眠状態となる。

この状態が眠っているように見えるため、”ネムリ”ユスリカという名前がついた。

ネムリユスリカは、実験で宇宙船外での滞在実験が行われたが、地球に帰還した後普段と変わらず生命活動を再開した。

ただ、生息域が極端に狭いため、環境に適応できていないと判断し、5位という結果になった。

4位 クマムシ

クマムシは虫ではなく、体長1㎜程度の非常に小さな動物「緩歩(かんぽ)動物」の総称である。

つまり、クマムシは1種類でなく、多くの種類が存在している。

熱帯から極地、陸地から深海までありとあらゆる場所に生息している。

クマムシも乾眠状態になることができ、「不死身の生物」という代名詞を持つほど強い生命力を持っている。

このクマムシも宇宙に行ったことがある生物の一種だ。

2007年に宇宙へと飛び立ったクマムシたちは、過酷な宇宙空間に10日間ほどさらされた。「真空状態の中で強い放射線まで浴びたが、地球に帰還した後も普段通りの活動を行った」という記録が残っている。

無敵の生物とも呼ばれるクマムシだが、こういった実験結果もある。

イオンビームなどの電離放射線は生体分子を直接的あるいは間接的に破壊する作用をもつと考えられる.今回のように高線量の電離放射線を照射されると,乾眠状態とはいえ,クマムシは本来の寿命を全うしたり正常な生殖能力を維持できないほど損傷が蓄積したのだろう.『引用元:クマムシの乾眠と極限環境耐性|生物工学会

つまり、放射線の種類によっては乾眠状態と言えども耐えられないということだ。

そのため、4位という順位になった。

3位 人間

4位クマムシ、5位ネムリユスリカは乾眠状態になれば、環境変化に対してほぼ無敵になれる。

しかし、乾眠状態になるまでに多少時間が必要で、乾眠状態に至るまで15分程度かかってしまう。

つまり、15分以内の超急速な環境変化には対応できないということだ。

 

その点、人間は環境の変化をある程度予測できるし、事前に対策することで超急速な環境変化にも対応できる。

また、2位のイカほどではないが、人間も地球上のあらゆる場所に住んでいる。本来持っている適応能力ではないが、発達した知能で生み出す道具により、深海・砂漠・極地・宇宙空間でも生きていくことができる。

他の動物には無い、知能で様々な環境に適応する人間。

最後まで生き残るのは意外と人間なのかもしれない。

2位 イカ

イカと言えばすぐに想像するのが、普段食べているヤリイカやスルメイカなどの種類だろう。

イカは身近な食べ物として有名だ。

 

ただ、もう1つの事実はあまり知られていない。

実は、イカの属する「軟体動物」は考えられないほど適応能力が高い種として知られている。

全世界の浅い海から深海まで、あらゆる海に分布する。『引用元:イカ|Wikipedia

Wikipediaにもこう書いてある通り、寒い地方から熱帯、浅瀬から深海まであらゆる場所に生息している

ただ、淡水域での生息はまだ確認されていない。しかし、地球上に存在している水の97.5%は海水なので、地球上ほぼ全ての場所に生息しているといっても過言ではないだろう。

 

例えば最大種のダイオウイカは1000m以上の深海で発見され、クリオネ(大きな分類でみるとイカの仲間)は北極や南極の氷の下に生息しているし、暖かい赤道付近の海にはオウムガイが生息している。

ここまで適応できている種は他に存在しない。

もし、気候変動が起こったとしても、すぐに何らかの種が適応し、生存することができるはずだ。

実際に科学者が予想した大量絶滅後の世界もイカが支配していた。

1位 地球内部に生息している微生物

実は、つい百年前までは、地表数十m程度しか生物は存在していないと考えられていた。

しかし、地下数㎞まで掘られた穴から採取された岩石を調べてみると、微生物が発見された。つまり、地中深くまで生物が存在していると判明したのは最近のことなのだ。2009年には世界の研究者1000人で構成されている「深部炭素観測所(DCO)」が結成され、2019年に10年間分の研究結果を発表した。

結果を要約すると、

  • 世界数百か所で地表から5㎞以上の深さから微生物サンプルを採取して研究した。
  • 海の体積よりも広い範囲に地下微生物は生息している
  • 地球上の細菌と古細菌の70%程度が地下に生息している可能性
  • 数千年生き続ける微生物が存在
  • 現代科学で考えられている量よりも少ないエネルギーで生存

地下微生物は乾眠状態ではなく、きちんと代謝を行っている。しかし、冬眠のような状態でほとんど生命活動を行っていない


Luc Riolon, CC BY-SA 2.5, via Wikimedia Commons

これだけの深さに生息している微生物は、隕石の衝突や気候変動などの大量絶滅が起こったとしてもほとんど影響を受けることはない。

似たようなサイトの生き残る生物ランキングでは、放射線への耐性や気温気圧の変化ばかりが取り上げられるが、地下微生物のように変化の影響を受けない場所に生息しているというのが最も生存の確率が高いのは間違いないはずだ。

 

実際に、地球の47億年の歴史の中で「地上の生物が絶滅するレベルの隕石」が数度衝突していることが分かっている。

だが、生物は絶滅していない。

影響を受けない場所に生息していた微生物がここまで進化した可能性もある。

まとめ

以上が生物大量絶滅後も生き残るであろう生物たちだ。

数億年後の未来の地球はどの生物が支配しているのか。

見てみたい気もするが、知りたくない気持ちもあるのは私だけだろうか。

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