ブラックジャックといえば、無免許の天才医師が高額な報酬を得て難病の患者を治療する話。
『ブラック・ジャック』は、手塚治虫による日本の漫画作品。『週刊少年チャンピオン』にて1973年11月19日から1978年9月18日にかけて連載したのち、1979年1月15日号から1983年10月14日号にかけて不定期連載された。引用元:『ブラックジャック|wikipedia』
未収録作品とは?
ブラックジャックはかなり昔に書かれた作品だ。
そのため、昔は普通に使われていたが、現代では差別用語とみなされる言葉が使われていて、クレームが出たりして収録されなくなった話がある。また、昔は難病だったが研究が進んで原因が分かったりしてストーリーに合わなくなったものもある。
そういった話は自主規制でカットされている。
そういった話を今回は今後絶対に収録されないであろう順番にランキングしてみた。
興味がある人はどうにかして、収録されている昔の本を手に入れるしかない。
ブラックジャックの漫画の種類
- 少年チャンピオン・コミックス「ブラック・ジャック」全25巻(1974年-1995年/秋田書店) ※新書版
- 手塚治虫漫画全集「ブラック・ジャック」全22巻(1977年-1983年、1995年-1996年/講談社) ※全集版
- 豪華版「ブラック・ジャック」全17巻+オールカラー版(1987年-2004年/秋田書店) ※豪華版、愛蔵版
- 秋田文庫「BLACK JACK」全17巻+TreasureBook(1993年-2003年、2008年/秋田書店)※文庫版
- 手塚治虫漫画全集DX版「ブラック・ジャック」全22巻(2003年-2005年/講談社) ※DX版
- 少年チャンピオン・コミックス・スペシャル「ブラック・ジャック」全17巻(2004年-2005年/秋田書店) ※新装版
- 手塚治虫文庫全集「ブラック・ジャック」全12巻+「鉄腕アトム別巻」(2010年/講談社)※文庫全集版
- 「ブラック・ジャック大全集」全15巻(2012年-2013年/復刊ドットコム) ※大全集版
引用元『ブラックジャック|wikipedeia』
1種類にしか掲載されていない場合、より昔に出版されたものの方が入手しづらいと判断した。
11位 2人のジャン
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
今回のランキングの中ではかなり入手しやすい。
オリジナルのコミックス4巻、デラックス版13巻、全集13巻に収録されている。
未掲載理由
シャム双生児を分離する手術を行った後、脳だけを培養液に入れて生かしておこうとした場面や、その培養液を壊して殺してしまう描写に問題があったのではないだろうか。
そのような倫理的に大きな問題があるのにもかかわらず、かなり多くのコミックスに収録されている。
シャム双生児:双子で生まれるはずの子供が体がくっついて産まれてしまう奇形。
10位 壁
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
収録されているのは2003年に出版された、ブラックジャック連載開始30周年記念「BLACK JACK BOXⅡ30th Anniversary Limited」のみ。
チャンピオンの付録の小冊子がついていたという話もあるが、定かではない。
※現在はアマゾン等で状態のいい中古品が出回っているのでそこまで難易度は高くない。
未掲載理由
この話ではブラックジャックがほとんど活躍せず、影が薄い。
手塚治虫のこだわりである、『主人公を生き生きと輝かせる』ことができなかったためではないだろうか。
9位 魔女裁判
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
オリジナルのコミック17巻にしか収録されていない。
もし読みたい場合はオリジナルコミックスを手に入れるしかない。
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
未掲載理由
迷信にとらわれている民衆たちという宗教的な問題と、公害病がテーマとなっているためであるとされている。
さらに、描かれている少女は目が1つしかなく、指も3本しかない。奇形、偏見と差別、キリスト教徒による異教徒への迫害。
こういった描写が未収録の理由ではないだろうか。
8位 最後に残る者
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
オリジナルのコミックス13巻にしか収録されていない。
未掲載理由
ある夫婦に6つ子ができた。だが、全員が未熟児で、一番発育が悪かった6人目は胎児そのものの未完成児。
その子に対して「誰が人間として認めてくれるだろう」や「バケモノ」というセリフを投げかけている。
このセリフに問題があったようだ。
7位 水頭症
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
オリジナルのコミックス6巻にしか収録されていない。
これより下位の作品よりも巻数が若く、より昔に出版されたという部分で、それらよりも上位の評価になった。
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
未掲載理由
はっきりとした未掲載理由が見当たらない作品。
実際に読んでみると、決定的にマズイ表現がされているわけでもない。
今後コンビニ販売のコミックス『ATC(秋田トップコミックス)』などで収録される可能性がある。
ただ、今のところそのような発表はされていないのでこの順位となった。
6位 血が止まらない
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
オリジナルのコミックス3巻にしか収録されていない。改定されて出版された新装版には収録されていない。
改訂版には収録されていないということで、他の作品よりも上位となった。
コミックスとして入手したい場合はオリジナルのコミックスを手に入れるしかない。
未収録理由
ブラックジャックで入手困難なものは基本的に何かしらの問題があるものが多い。入手難易度が高いほど問題が大きいものが多い。
これだけ、入手が困難であるにもかかわらず、それほど大きな問題は無いように感じる。
よく言われているのは、出血すると血が止まらなくなる『血友病』を題材としていたため。
血友病は遺伝病であり、昔は原因不明の病だった。その頃は偏見、差別がひどく、風当たりが強かったようだ。
そのため、血友病に関する団体から抗議がきたためとされている。
5位 落下物
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
コンビニ販売の単行本『秋田トップコミックス医者の使命編』(2005年発売)にしか収録されていない。
オリジナル版のコミックスよりも発行部数が少ないため、入手難易度を高めに設定した。
また、週刊少年チャンピオン2003年9月18日号にも収録されている。
未掲載理由
原子炉衛星の落下という題材が問題ありと判断されたためか?もしかすると、原子力関係のとある団体からの圧力等もあったのかもしれない。
一番多い未掲載理由としては、原子炉衛星が落下し、放射線被ばくにある程度強い芋が変異を起こしている。そんな現場に防護服も無しに出向いている描写が誤解を招くこと、その後の影響についても言及されていないということの矛盾が収録されない理由ではないかとされている。
4位 しずむ女
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
オリジナルの少年チャンピオンコミックス4巻にしか収録されていない。
4巻には第3位の『植物人間』も収録されているため、オークション等でも出品されるとすぐに落札される可能性が高い。そのため4巻以外のコミックスよりも入手が難しい。
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
未掲載理由
公害を扱っているため話なので、被害者や遺族に精神的なダメージを与えてしまう可能性が高いため。
また、障碍者に対する扱いが原因であると考えられる。かなり差別的なセリフが多い。
多分後者の方が理由としては大きい。
3位 植物人間
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
オリジナル版のみ収録。
他にもオリジナル版のみにしか収録されていないものがあるが、『植物人間』は18刷までしか収録されていない。
そのため、他のオリジナル版のみ収録されているものより入手難易度が高い。
少年チャンピオンコミックス4巻(17,18刷まで)はオークションにて5000円程度で落札されている。
手塚治虫プロダクションの意向により、今後も単行本収録の予定は無し。
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
未掲載理由
今も議論が続いている脳手術が題材だったためではないかと言われている。そのため精神科医や精神外科手術反対の市民団体からのクレームがはいったようだ。
実際に読んでみると分かるが、過去に精神病患者に行われていたロボトミー手術に酷似した手術内容である。
ロボトミー手術とは脳の一部を外科的に切り取ることで人格を変えてしまう非人道的な手術である。
2位 指
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
収録された書籍は1つもなく、『週刊少年チャンピオン1974年6月24日号』を入手するしか読む方法はない。
1位の『快楽の座』同様に、真の封印作品だった。ただ、227話『刻印』に問題部分をカットした改訂版が収録されたため、2位となった。
しかしマニアの間では、問題部分をカットすると物語の主旨が変わってくるということで同じ話とは認められていないようだ。
オリジナル版(チャンピオン本誌)は現在では入手困難。中古品がオークションに出回っているが、落札価格は1万円を超えている。
※手塚プロダクションの意向により、今後も単行本収録の予定はない。
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
未収録理由
ブラックジャックの友人が6本指の奇形だったため、クラスメイトに化け物扱いされている描写が、身体障害者の偏見を助長するとされた。
他にもブラックジャックのセリフで「私も君もみじめだったなぁ、私は身体障害者、君は不具者だったんだ」など、問題がある要素がふんだんに盛り込まれていた。
1位 快楽の座
引用元:『http://www.geocities.co.jp』
単行本に1度も収録されないまま封印された幻の作品。当時のチャンピオンを手に入れるしか入手方法が無い。
この話が収録されている『週刊少年チャンピオン1975年1月20日号』には95000円のプレミアがついていた。
もし、この号を持っている人いたら、絶対に手放さない方がいい。
未収録作品の中でも1番入手が困難。
手塚プロダクションの意向により、今後収録される予定はない。
チャンピオン掲載時の表紙
引用元:『http://www.manekineko-k.com/users/other/coast/blog/?p=5486』
未収録理由
このエピソードが単行本に収録されなかった理由は、非人道的な脳手術とそれによって殺人鬼と化した精神病患者をリアルに描き過ぎたためだといわれている。そのため、精神科医や精神外科手術反対の市民団体からのクレームが入ったとされている。
実際に、脳に機械を埋め込み、電流で精神病患者の状態をコントロールする研究は行われていた。しかし、人道的な面から非難が殺到し中止された。
手塚治虫は警鐘を鳴らす意味でこの作品を描いたのだから掲載してほしいとの意見もある。
まとめ
どうだろうか。
問題がある作品が消されていく中で、もう一度読んでみたいという声が多いのがブラックジャックだ。
手塚治虫先生は読者に何かしら感じ取ってほしくて、この作品を描いているはずだ。
何もかも禁止、禁止では学ぶことは少なくなってしまう。
ぜひとも禁止を訴える団体には考えて欲しいものだ。