スポーツマンが身体能力を向上させたい時に摂取するべき栄養素ランキングTOP5

2019年11月7日

スポーツをしている人の大半は今よりも上手くなりたいと思っているはずだ。そのために色々なトレーニングを工夫して行っている。

だが、体を成長させるための栄養素まで完璧に理解して摂取している人はかなり少ない。

 

筋トレは体を成長させるスイッチのようなもの。実際に成長するのは休んでいる時なのだ。

その時に適切な栄養を摂取できていなければ、トレーニングの成果を十分に得ることはできない。

 

そこで、今回は体を成長させるために摂取するべき栄養素をランキング形式で紹介しよう。

※もちろん全ての栄養素をバランスよく摂取するのが望ましい。このランキングに載っていないからと言って、必要無いわけではない。

必要な栄養素だけ知りたいという人は『5位 ヘム鉄』まで飛ばして欲しい。




筋肉が成長する仕組み

まずはじめに、筋肉が成長する仕組みを簡単に説明しておこう。

筋肉はたくさんの筋繊維が束になってできている。さらに筋繊維は、多核細胞でありたくさんの細胞がつながったような形をした巨大な細胞だ。

その周りに『サテライト細胞』という筋細胞予備軍の未分化な細胞がくっついている。サテライト細胞は筋細胞が壊死した時に分化(成長)して筋細胞の代わりを務めたり、近くにあるサテライト細胞同士がくっついて、もう1本の筋繊維を作り出す

 

トレーニングによって筋細胞が破壊されると、2つの反応が起こり筋肉が成長する。

  1. 個々の筋繊維がより太く成長する。
  2. サテライト細胞が新しく筋繊維を作る。

この時、栄養が十分に行き届いていないとより強くなることができずに修復が遅れ、トレーニングの成果が出にくいという事態が起こってしまう。

このような事態を避けるために十分な栄養が必要になってくるのだ。

 

5位 ヘム鉄

鉄は赤血球を構成している『ヘモグロビン』に多く含まれている。つまり、鉄分を摂取すれば、赤血球の生産が進むため、酸素を効率よく全身に運搬できる(=強度が高い運動も長時間こなせる)ようになる。そのおかげでトレーニングの効率が上がり、身体能力の向上が見込める。

さらに、持久力が必要な競技では心肺能力はそのまま身体能力と言いかえることもできる。

 

ただ、一言で鉄分といっても、いくつかの種類が存在している。

大きく分けると、ヘム鉄と非ヘム鉄に分けられる。

ヘム鉄

ヘム鉄はポルフィリンと2価鉄(Fe2+から構成されていて、有機鉄とも呼ばれる。ヘム鉄はこのままの形で小腸から吸収され、体内でポルフィリンとFe2+に分かれ、鉄が利用される。

ヘム鉄は有機化合物であり、動物性食品(肉)に多く含まれている。

また、小腸から吸収される際にはそのままの形で吸収されるため、非常に吸収率が高い。(15~25%)

非ヘム鉄

非ヘム鉄は鉄が水に溶けた状態であり、ほとんどが3価鉄(Fe3+として存在している。3価鉄は2価鉄が酸化されたものである。鉄は錆びることからも非常に酸化されやすい性質を持っている。そのため、自然の中ではほとんどが3価鉄の状態で存在することになる。

非ヘム鉄は無機化合物であり、野菜に多く含まれている。

人間の体は有機化合物でできており、無機化合物は吸収しにくいという特徴がある。そのため、非ヘム鉄は非常に吸収率が悪い。(2~5%)

この吸収率の悪さは、非ヘム鉄がFe3+の形で存在していることが原因。この状態の鉄はほとんど吸収されず、ビタミンCなどの抗酸化物質(還元物質)による化学反応を経て2価鉄(Fe2+)に還元されてから吸収される。

 

このことからも分かるように、鉄分を摂取する場合はヘム鉄を意識して取るようにした方が効率がいい。

また、ビタミンCやタンパク質などの還元作用があるものと同時に取ると吸収率はさらに上がる。

 

4位  脂質・糖質

脂質・糖質はどちらもダイエット目的の人にとっては天敵の栄養素だ。この2つを摂取し過ぎると、脂肪として体内に蓄えられてしまう。

だが、身体能力の向上を目指している強度が高いトレーニングをしているスポーツマンにとっては必要不可欠な栄養素となる。

体を大きくして身体能力を高めるには、「摂取カロリー>消費カロリー」は絶対に守らないといけない。

これを満たすためにこの2つの栄養素は必ず取らなければならない。

しかも、糖質、脂質にはそれぞれ違ったいい効果がある。

それぞれ見てみよう。

脂質

脂質は非常に高いエネルギー効率を持っている。

タンパク質、糖質は1gあたり4kcalしか熱量がないが、脂質は1gあたり9kcalもの熱量がある。。他の2つの2倍以上もカロリーがあるのだ。

1gあたりのカロリーが高いということは、少量摂取するだけでもたくさん動けるようになるということだ。人間が一度に食べることができる量というのは、胃の大きさに依存しているため限界がある。脂肪は摂取カロリーの底上げを担ってくれる重要な栄養素なのだ。

さらに、脂質は細胞膜生理活性物質(ホルモン)の材料となる。体が成長するのに必要な「成長ホルモン」もや筋細胞の細胞膜も脂質が原料となっている。

身体能力を向上(筋肉を強く)したいスポーツマンは惜しまず摂取していこう。

ちなみに、NBAで活躍している渡辺雄太選手はトレーナーから1日6000kcalという膨大な量の栄養を摂取するように指示されているそうだ。

糖質

今では糖質抜きダイエットというのが世間で流行っているが、身体能力を向上させたい人にとっては無縁の話。

糖質は即効性に優れた栄養源であり、摂取してから1時間ほどでエネルギーとして利用可能になる。

特に運動量が多いスポーツをしている人はより多く摂取しなければならない。

普通の人より活動量が多いスポーツをしているような中高生では、1日あたりごはん約8.5杯分の糖質摂取が必要になります。『引用元:大塚製薬

また、人間の体は利用できるエネルギーが無くなると、まず筋肉を分解してエネルギーに変えてしまう。

これを防ぐには運動前に糖質を取り、筋肉に「グリコーゲン」(糖質はこの状態で保存される)をためておかないといけない。

これができていないと、せっかくトレーニングをしたのに筋肉が分解されてしまうという悪夢が起きてしまう。




3位 ビタミンD

一昔前まではビタミンDはカルシウムの吸収を助ける栄養素としか考えられていなかった。2008年頃からビタミンDの血中濃度と筋肉の強さの関係が示唆されていたが、2019年の研究でビタミンDと筋肉の関係が判明した。

マウスの実験で、筋肉の大きさと強さには、ビタミンDによるシグナル伝達が必須であることが明らかになった。『引用元:豪ウエストミード医学研究所』

この研究によると、筋肉にはビタミンDのレセプター(受容体)があり、このレセプターにビタミンDが結合することにより、筋肉中のタンパク質合成が促進される。

つまり、ビタミンDは筋肉増強に必要不可欠な栄養素であるということだ。

※まだレセプターが見つかっただけのようで、どのような経路をたどって筋肉の発達に結びつくのかまでははっきりと述べられていなかった。これからの研究に期待しよう。

 

2位 亜鉛

亜鉛と言えば、男性機能を高める栄養素として有名だ。亜鉛を摂取すると精子の量が増えるとされている。精子は睾丸の中で細胞分裂を繰り返していて、数を一定以上に保とうとしている。この細胞分裂を助けるのが「亜鉛」だ。

これと同様に、筋トレ後に筋肉が成長するのも細胞分裂により起こる。つまり、亜鉛が手助けしてくれるということだ。

亜鉛が筋肉増強に効果がある理由は2つある。

  • インスリンを合成する。
  • テストステロン(男性ホルモン)の合成に関与している。

インスリン

インスリンは血糖値を下げる物質だ。血糖値を下げるということは言い換えれば、血液中から細胞内に糖質を取り込むということだ。

もちろん同じ反応が筋肉の細胞でも起こる。筋肉内に糖質を取り込むことでトレーニング後の栄養不足を補うことができる。(詳しくは4位 糖質に記載)

テストステロン

テストステロンは筋肉を発達させるホルモンだ。これが女性よりも多いため男性は筋肉がつきやすい。

亜鉛を毎日摂取するとテストステロンが増加するという研究結果から、亜鉛とテストステロンは間接的に関係していると考えられている。

この2つの作用により、亜鉛は筋肉の成長に必要不可欠なものとなる。




1位 タンパク質

言わずと知れた筋肉を成長させるための必須栄養素。筋肉を家に例えれば木材にあたる。

タンパク質には動物性と植物性の2種類がある。

動物性タンパク質

動物性タンパク質は必須アミノ酸(※人間が体内で作り出せないアミノ酸。外から取り入れる必要がある。)がバランスよく含まれているが、脂質も含んでいるためカロリーの取り過ぎに気を付ける必要がある。

ただ、これは痩せるためにトレーニングをしている人の場合だ。

スポーツの上達のためにトレーニングをしている人の場合はまた別。しっかりとトレーニングをしていれば消費カロリーが膨大になるため、摂取カロリーはそこまで気にしなくてもいい。逆に摂取カロリーが足りずに筋肉がなかなかつかないことまである。

 

植物性タンパク質

植物性タンパク質は運動能力の向上という1点だけを目標にしている人はほとんど摂取する必要はない。

動物性に比べタンパク質の含有量自体が少なく、デンプンなどの炭水化物も大量に含有している。ヘルシーに見えて意外と高カロリーなのだ。高カロリーで低タンパク(動物性と比べて)なものをあえて取る必要はないだろう。

 

以上から、動物性タンパク質をしっかりと摂取した方が、トレーニング効率という意味では圧倒的にいいことが分かる。

きちんと食事から摂取してもいいのだが、自然の食べ物から必要な量を取るのはとても難しい。
体重70㎏の人で1日140gが必要となる。

食べ物で良質な蛋白源とされている”鳥のササミ”。このササミでさえ100g中に25gしかタンパク質を含んでいないのだ。

コンビニのサラダチキンで計算すると、毎日5個は食べないといけない。

さすがにそれは金銭的にもお腹的にも厳しいので、オススメはプロテイン。これなら無理なく摂取できるので、スポーツを上達したい人は絶対に買っておいた方がいい。

 

まとめ

どうだろうか?

これらの栄養をしっかり取ることが身体能力向上への近道だ。

大事なことなのでもう一度書いておくが、このランキングに載っている栄養以外もしっかりとバランスよく摂取するようにしよう。

 

もちろん、栄養を取るだけでは筋肉はつかない。厳しいトレーニングをしっかりと継続することが一番大切だ。