銃弾の威力ランキング【ライフル編】

ある格闘漫画の有名なセリフで、『握力×体重×スピード=破壊力』というものがある。握力に関しては里香不能だが、体重とスピードが破壊力に直結しているのは物理学的に見ても正しい。

銃弾の威力は運動エネルギー(単位:J(ジュール))とほぼ比例する。運動エネルギーを計算する式は以下の通り。

E=1/2mv2     Eはエネルギー(J)、mは質量(kg)、vは速度(m/s)

今回はライフル弾の威力でランキングを作成した。銃弾の威力は単純に運動エネルギーのみで測ることはできないので、ある程度の目安として見て欲しい。

ちなみにエアガンは0.8J、ピッチャーが投げた時速150kmのボールは132Jほど。

目次

7位 三八年式実包 2612.9J

  • 初速度:2743.2km/h
  • 弾頭重量:9g

1907年に大日本帝国陸軍によって開発された銃弾。こんなに昔の銃弾が7位にランクインするとは・・・。1945年に第二次世界大戦が終結するまで使用された。

これより以前に使用されていた三十年式実包よりも弾頭を鋭く尖らせることで貫通力を上げた。この貫通力の高さゆえに、目標物にエネルギーを十分に伝えないため、当たった場合も損傷は小さい。そのため、『不殺銃弾』とも呼ばれていた。

400m先の厚さ8mmの鉄板を貫通するほどの威力がある。エネルギーの大きさがそのまま威力には繋がらなかったいい例だろう。

6位 7.62mm×54R弾 2899J

  • 初速度:2808km/h
  • 弾頭重量:9.53g

1891年にソ連で開発された銃弾。1世紀以上たった現在でもロシア連邦軍、中国、北朝鮮、ベトナムなど軍隊で広く使用されている。今も公式の軍隊で使用されている銃弾では最古のものとなっている。

この銃弾の特徴として、明らかに先端に向けて細くなっていることが挙げられる。これはどんな状況であってもマシンガンなどから確実に薬莢を排出できるように考慮したものだ。

ドラグノフ狙撃銃やモシン・ナガン小銃などのガンマニアの間では有名な銃によって使用されていたという実績がある。

5位 九九式普通実包 3038.1J

  • 初速度:2635.2km/h
  • 弾頭重量:11.34g

1940年に日本で開発された銃弾。銃弾の速さランキング【ライフル編】では11位にランクインしている。

7位の38年式実包よりも初速は落ちるが、弾頭重量は2g以上重くなっている。そのため、威力、遠距離での射撃制度が向上した。

4位 .303ブリティッシュ弾 3147J

  • 初速度:2682km/h
  • 弾頭重量:11.34g

1888年にイギリスで開発された銃弾。1950年に北大西洋条約機構(NATO)により7.62×51mm NATO弾に置き換えられるまでイギリス軍の主要な銃弾だった。1888年の段階では黒色火薬が用いられていたが、翌年には無煙火薬に切り替えられている。

この銃弾は大型動物にも有効であると認められ、カナダなどでは大型熊、アフリカ大陸では大型のカモシカの狩猟に使用されていた。

3位 7.62mm×51NATO弾  3348.1J

  • 初速度:2988km/h
  • 弾頭重量:9.72g

アメリカが開発した7.62mm弾。1950年代に北大西洋条約機構(NATO)により標準化された銃弾だ。これは、多国籍軍などを構成する場合、銃弾を統一した方が物資の補給がスムーズになるためである。

アサルトライフルなどの弾薬はより小さい銃弾にとって代わられてしまったが、狙撃銃などの弾薬として現在も使用されている。あらゆる銃弾の中で対人用の銃弾としては一番性能が高いと評価されている銃弾だ。つまり動物には効果が高く、ヘラジカなどの大型動物の狩猟によく用いられている。

2位 .30-06スプリングフィールド弾  3536.2J

  • 初速度:3070.8km/h
  • 弾頭重量:9.72g

1906年にアメリカ陸軍によって開発された銃弾。1970年代初期までアメリカ軍で使用されており、現代もNATO弾にとって代わられながらも少数は使用されている。

少数派になったのは軍隊での使用のみで、狩猟ではいまだに一般的に使用されている。大型のバイソンや熊を狩るのに使われていることからもこの銃弾の威力が高いことが分かる。

この銃弾が一般的に人気な理由は、射撃時の衝撃が弱いことにある。射手への衝撃が27.1J以上だと、打つのをためらってしまうと実験により判明しているが、この銃弾の衝撃は23Jほどのため広く受け入れられている。

1位 7.92x57mmモーゼル弾 3902.9J

  • 初速度:2808km/h
  • 弾頭重量:12.83g

栄えある第一位に輝いたのはドイツが誇る最強の銃弾、『モーゼル弾』だ。初速は2位の銃弾に200km近く劣るが、弾頭の重さでエネルギーが高くなった。また、弾頭が重いということは、慣性の法則により長距離でも弾速が落ちにくいということで安定した狙撃が可能になった。

やはり重いものが威力は強いという結果になった。

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