2020年に最も売れた薬ランキング

私たちの健康な毎日にとってなくてはならない存在である薬。

世界中の製薬メーカーによって、あらゆる病気を治療するための薬が日夜世界中で研究、開発されている。

さて、今回はそんな身近な存在である薬について、世界中でどんな薬が多く使用されているか調査しランキングした。

ランキングからどのような薬が多くの人々に必要とされているか見てみよう。

目次

第10位 オプジーボ : 抗がん剤

  • ブリストルマイヤーズ・スクイブ社(米)/小野薬品工業(日)
  • 売上高:83億8800万ドル

日本企業開発の薬が唯一10位にランクインした。オプジーボは免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれるタイプの抗がん剤だ。

免疫チェックポイント阻害薬とは、免疫細胞ががん細胞を攻撃する作用の低下を防ぐ作用を持つタイプの抗がん剤である。

近年の研究により、がん細胞は攻撃を加えてくる免疫細胞に対して、ブレーキをかける作用があることが明らかとなってきており、この作用に対して働きかける薬となっている。

第9位 エンブレル : 抗炎症薬

  • ファイザー社(米)
  • 売上高:91億8700万ドル

第9位はあのCovid-19のワクチンを先陣を切って開発したアメリカ、ファイザー社の開発した関節リウマチ治療薬だ。

ヒト由来のタンパク質で作られたこの薬は関節の炎症の原因物質の作用を抑制する。1998年にアメリカで、200年にはヨーロッパで薬事承認され、世界中で幅広く使われている。

第8位 ビクタルビ : 抗HIV薬

  • ギリアド・サイエンシズ社(米)
  • 売上高:92億5000万ドル

ギリアド・サイエンシズ社はアメリカ カリフォルニア州に本社を構えるバイオ製薬企業である。

免疫細胞に対し、HIVが取りつくための酵素の作用を阻害することにより、HIVの増殖を抑える作用がある。

第7位 トルリシティ : 糖尿病治療薬

  • イーライリリー&カンパニー社(米)
  • 売上高:98億5000万ドル

7位にランクインしたのは世界で最初にインスリン製剤を実用化した、イーライリリー&カンパニー社の糖尿病治療薬、トルリシティである。

イーライリリーの社名は、創業者の名前であるイーライ・リリーに因み、アメリカ製薬企業の中でも売上高に対する研究開発費の高さで有名な研究開発重視型の企業だ。

第6位 ランタス : 糖尿病治療薬

  • サノフィ(仏)
  • 売上高:103億200万ドル

この薬は人のインスリンと同じ作用を持つ医薬品である。

体内でのブドウ糖 (グルコース)の生成を抑制したり、組織へのブドウ糖取り込みを促進することにより血糖値を低下させる作用がある薬だ。

第5位 ステラーラ : 抗炎症薬

  • ジョンソン&ジョンソン社(米)
  • 売上高:111億4400万ドル

第5位はアメリカの製薬企業、ジョンソン&ジョンソン社開発の抗炎症薬で、おもに潰瘍性大腸炎やクローン病(腹痛や下痢、発熱などをともなう体調の悪化を繰り返す難病で、原因は不明)などの消化器疾患に対する治療薬である。

第4位 イグザレルト : 抗凝固薬

  • バイエル社(独)
  • 売上高:117億2900万ドル

イグザレルトはドイツ、バイエル社開発の抗凝固薬である。

抗凝固薬とは、血栓の生成を阻害することにより血液を凝固させにくくする作用を持つ薬で、心筋梗塞や脳梗塞をはじめとする血液の凝固により発生する。

各種の病気を治療するものである。

第3位 キイトルーダ : 抗がん薬

  • メルク&カンパニー社(米)
  • 売上高:151億1300万ドル

キイトルーダは、10位にランクインしたオプジーボと同じく免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれるタイプの抗がん剤である。

ちなみにドイツにも同じ名前のメルク社(Merck KGaA)が存在しているが、この薬を開発した米メルク&カンパニーはこのドイツメルク社の創業家によって経営されている。

第2位 エリキュース : 抗凝固薬

  • ブリストルマイヤーズ・スクイブ社(米)/ファイザー社(米)
  • 売上高:173億9000万ドル

この薬は血液の凝固作用を阻害し、血栓の発生を抑制する、第4位にランクインしたイグザレルトと同じ抗凝固薬として分類されるものである。

ヨーロッパでは2012年4月、またアメリカと日本では同年12月に薬事承認された。

第1位 ヒュミラ : 関節リウマチ治療薬

  • アッヴィ社(米)
  • 売上高:290億1100万ドル

第1位にランクインしたヒュミラはアメリカ、アッヴィ社により開発された関節リウマチ治療薬である。

アメリカ国内では2002年、また日本では2008年に薬事承認された比較的新しい薬である。

関節内で生じる原因物質の作用を抑制し、関節の痛みだけでなく関節の症状悪化の進行を抑制する効果がある。

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