世界一高い山はエベレスト。
これは誰もが知っている常識だ。
エベレストができる時、もの凄い噴火をしてできたと思うかもしれないが、エベレストは火山ではない。
インドとユーラシアプレートがぶつかることによって押し上げられる形でできた山だ。
基本的に世界でTOP10に入るような高さの山はこういったプレートの移動によってできているものが多い。
『では世界で一番高い火山は?』
と聞かれると知らない人が多いのではないだろうか?
そこで今回は活火山だけで世界の山をランキングにしてみた。
10位 パリナコータ山
『Gerard Prins, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons』
- 6348m
- ボリビア
パリナコータ山はボリビアとチリの国境付近にある。
この山の南側にはチュンガラ湖がある。
この湖に流れ込んでいるおもな川はチュンガラ川である。
元々はチュンガラ湖も川の一部であったが、8000年前に起こったパリナコータ山の噴火により川がせき止められ湖となった。
パリナコータ山は傾斜約35度の砂利の斜面(頂上付近は雪)であり、登山は比較的簡単。
(もちろん登山経験がない素人にはそれでもきついが。)
9位 コロプナ山
『Edubucher, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Common』
- 6377m
- ペルー
ペルー南部のコルディエラ・オクシデンタル山脈にある火山。
一応活火山とされているが、噴火したという記録は無いようだ。
富士山のように山頂が1つだけの形はしておらず、いくつかの峰がある。
8位 アントファジャ山 / アルゼンチン
『John Biggar, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons』
- 6440m
- アルゼンチン
アルゼンチンにあるアントファジャ山は標高6440mの火山だ。
アントファジャとは現地の言葉で太陽が死ぬ場所という意味がある。この言語を使っていた民族が住んでいたところから見るとこの山が西側にあり、太陽が沈む方角だったためと言われている。
日本も属する環太平洋造山帯を構成している山の1つであり、活火山である。ただ、今も頻繁に噴火しているわけではなく、前回の噴火がいつなのかは判明していない。
アタカマ沙漠の東部にあるため、非常に乾燥している。そのため、現在は付近にほとんど人が住んでいない。
だが、1000年近く前の西暦1500年くらいまでは文明があったようだ。この山の中腹にインカ時代の遺跡が存在している。
7位 サハマ山
- 6520m
- ボリビア
サハマ山はボリビアの最高峰の山だ。
この山も活火山とはされているが、前回の噴火はいつであるかは判明していない。
サハマ山が有名になったのは、2001年にこの山の山頂でサッカーの試合が行われたからだ。
有名チームの試合ではなく、民間のチーム同士の試合であった。
選手たちはこの試合のためにゴールポストを担いで登山したそうだ。
試合は20分ハーフで行われ、3対3の同点だった。
この試合は世界で最も高い場所で行われた試合とされている。
6位 コンドル山
『Cosynook, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons』
- 6532m
- アルゼンチン
コンドル山はアルゼンチンにある火山。
名前の通り、世界最大の飛ぶ鳥であるコンドルの生息地でもある。
一応活火山とはされているが、休火山に分類されている。
山頂が広く、山を中腹で切り取ったような形をしている。
休火山とはいえ、いつ噴火が起こるかは予想がつかないので、登山する場合も噴火は考慮しておくべきだ。
5位 トゥプンガート山
『Gerard Prins, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons』
- 6570m
- アルゼンチン・チリ
第5位はトゥプンガート山だ。
この山は他の山とは違い、しっかりと現在も噴火活動が起こっている。
最近では1987年に噴火があった。
ワインに詳しい人なら名前を聞いたことがあるかもしれないが、「トゥプンガート・デパルタメント」問名前のワインはこの山の近くで生産されている。
この山で起こった有名な事件は、飛行機の墜落事故である。
1947年に11人を乗せた飛行機がこの山の氷河に墜落した。
衝突の衝撃で生じた雪崩に埋まり、氷河の終点で発見されるまで埋まったままになっていた。
53年間飛行機の残骸は氷河に埋まっていたことになる。
4位 インカワシ山
『Daniel Weiss (Skaifyomonul), CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons』
- 6621m
- アルゼンチン・チリ
第4位のインカワシ山はアルゼンチンとチリの国境にある山だ。
火山には2つの噴火口跡があり、以前は火山活動が活発だったことがうかがえる。
最近の噴火の記録は無い。
ボリビアのウユニ塩湖にもインカワシ島という名前がついた島がある。
ワシとは現地の言葉で「家」という意味であり、インカの家が語源であるとされている。
3位 カサデロ
『2005biggar at English Wikipedia, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons』
- 6660m
- アルゼンチン
第3位のカサデロはアルゼンチンのチリ国境付近にある山だ。
第1位のオホス・デル・サラードの近くにある。
この山は複式火山で噴火口がいくつか存在している。
なんとこの山は日本人が初登頂した山でもある。
1970年に日本人隊員8名、チリ隊員6名の探検隊が登頂した。
2位 ユーヤイヤコ山
『Dick Culbert from Gibsons, B.C., Canada, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons』
- 6739m
- アルゼンチン・チリ
惜しくも第2位だったのはアルゼンチン・チリ国境にあるユーヤイヤコ山だ。
名前の由来は、濁った水(ユーヤイ)、偽りの水(ヤコ)であるとされている。
アタカマ砂漠にあり、これだけの標高を持ちながら雪が常に積もっているのは山頂付近だけである。
雪線(雪が常に積もる標高)は6500mであり、他の地域の山よりも1000~2000mも高い。
これだけの標高であるにもかかわらず人が住んでいたようで、山頂からも当時のものが出土している。
さらに、3体の子供のミイラが発見されたことで、いけにえの儀式が行われていたことも分かっている。
1位 オホス・デル・サラード
『sergejf, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons』
- 6893m
- アルゼンチン・チリ
アルゼンチンとチリの国境にあるオホス・デル・サラードが今回のランキングの1位となった。
この山の近くにアタカマ砂漠があり、非常に空気が乾燥している。そのためこれだけの標高がありながら、積雪は冬の山頂部に限られる。
ただ、激しい雨が降ると夏でも数十センチの雪が積もることもある。
また、砂漠にほど近い乾燥した場所であるにも関わらず、山の東側の標高6390m地点には直径100mほどの湖がある。世界で最も高い場所にある湖と言われている。
これだけの標高がありながら、山頂付近を除けば初心者でも登れるほどの難易度の山だ。
最後の噴火は1300年ほど前とされており、活火山と認定するか疑問視する声もある。
もし、認定されない場合は、第2位でいまだに火山活動が活発なユーヤイヤコ山に1位の座を譲ることになる。
世界一高い火山まとめ
高い火山をランキングにしてみると、チリ・アルゼンチン・ボリビアの三強。
とくにチリは圧倒的な強さだった。