ハリケーン、噴火、地震、津波・・・様々な種類の災害がある。
そして、その中でも人類への被害が大きかったものには後世まで残る名前がつく。
今回は人類への被害が大きかったものを『被害額』でランキングにしてみた。
※被害額は全てUSD(アメリカドル)で記載している。
第10位 北米の干ばつ
被害額:496~560億$
2012~13年
2012年に発生した大規模な干ばつ。
水が豊富な日本ではあまり馴染みがない災害だが、世界的に見れば様々な国で被害を出している。
この干ばつは米国・メキシコ・カナダに深刻な被害を出した。
特に被害が大きかったカリフォルニア州では降水量が例年の3割程度しかなく、深刻な水不足が発生した。
大量の農作物への被害と河川の魚が死滅したことによる漁獲制限などで被害額が大きくなった。
その被害総額は496億ドルから最大で561億ドルに上ると見積もられている。
第9位 北米の干ばつ
被害額:532億$
1988~89年
1988年に起こったアメリカ史上最悪の干ばつ。
アメリカ中西部など襲ったこの干ばつは1988年から長いところでは1990年頃まで続き、ピーク時にはアメリカの45%の地域が干ばつに苦しんだ。
この干ばつは、トウモロコシ等の作物に壊滅的な被害を及ぼし、被害地域の芝生はほとんど100%枯れ、数多くの都市で水が制限された。
また、干ばつによる乾燥と同時に発生した熱波により多くの森林地帯では山火事が発生した。イエローストーン国立公園では広大な森林が山火事により焼失した。
失われた人命は15000人以上とされる説もあり、その被害総額は532億ドル。
アメリカ史上最悪の干ばつと言われている。
第8位 ハリケーン・イルマ
被害額:648億$
2017年
ハリケーン・イルマは、2017年8月末にアメリカ大陸で発生した超大型ハリケーン。
ハリケーンの分類中最大のカテゴリー5に属する超大型ハリケーンであり、最大風速は約81m/sを記録した。
カリブ海のサン・マルタンやサン・バルテルミーでは全ての建物の95%が被害を受け、水、電気、通信などのインフラ施設が完全に寸断された。
イルマ発生の直前にはハリケーン・ハービーによる壊滅的な被害を受けており、アメリカ本土にカテゴリー4以上のハリケーンが1年以内に2つ上陸するのは史上初のこと。
※風速80m/sは人が簡単に吹き飛ばされる強さ。時速に換算すると288㎞/h。この動画を見ればどれぐらいの威力かすぐにわかるはずだ。
第7位 ハリケーン・サンディ
被害額:687億$
2012年
ハリケーン・サンディは2012年に発生した大型ハリケーン(カテゴリー3)だ。
8位のイルマよりカテゴリーが低いが、都市部を中心に被害を与えたため上位に来た。
その直径は1520kmと、北海道から九州までをほぼ覆うほどの大きさである。
アメリカ東部を中心に広範囲で浸水被害が発生。
ニューヨークでは沿岸地域の建物の浸水被害、地下鉄浸水するなどインフラ面に大きな被害がでた。
さらには世界最大のニューヨーク証券取引所が2日間営業を停止、原子力発電所も稼働を停止するなど経済界にも大きな影響を及ぼした。
サンディは、被害総額687億ドルとアメリカ東海岸を襲ったハリケーンの中では史上最悪の被害をもたらした。
第6位 ハリケーン・マリア
被害額:916億ドル
2017年
ハリケーン・マリアは、2017年9月にドミニカ国とプエルトリコを襲った大型ハリケーンだ。
熱帯低気圧となってからわずか24時間後にカテゴリー5のハリケーンへと劇的な成長を遂げ、9月19日にドミニカに上陸、ドミニカの国民総生産の224%に達する13億ドルという壊滅的な被害をもたらした。
その後、プエルトリコに上陸し、一部地域では洪水が4m以上の高さに達するなど沿岸部を中心に多くの建物を破壊した。
更に、農地の約80%が被害を受け特にコーヒー農園では、1800万本のコーヒーの木が破壊された。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)によると、ハリケーン・マリアによる経済損失は合計で916億ドルに達っすると報告されている。
第4位 ハリケーン・ハービー
被害額:1250億$
2017年
ハリケーン・ハービーは、2017年8月にテキサス州を襲ったカテゴリ4の超大型ハリケーン。
テキサス州だけで30万棟の建物と50万台の車両が被害を受けた。
また、テキサス州全域(人口約3000万人)が停電し、石油・ガスの生産力が被害を受け、深刻な燃料不足が発生した。
アメリカ海洋大気庁によるとその被害総額は1250億ドルと試算されており、2005年のハリケーン・カトリーナと並んで史上最悪のハリケーン被害と言われている。
第4位 ハリケーン・カトリーナ
被害額:1250億$
2005年
ハリケーン・カトリーナ は、2005年8月末にアメリカ南東部に甚大な被害をもたらしたハリケーン。
最も被害が大きかったニューオーリンズでは、湖及び工業水路の複数個所で堤防が決壊し、市内の8割が水没した。
罹災後、市の公共サービスは完全に麻痺し、市の完全封鎖を含む緊急事態宣言が出された。
支援物資が不足し、高齢者などの衰弱死が増えた。
そのため、市内の各地では廃墟のような街並みが広がり、遺体が水面を流れている光景が広がった。
原油精製施設も大きな被害を受け、その影響で原油価格が10%以上高騰した。
その被害総額は1250億ドル(最大1600億ドル)と見積もられ、アメリカ史上最悪の自然災害と言われている。
川から泳ぎ出てきたワニが原因で被害者数と遺体の数が合わなくなったという話もある。
第3位 四川大地震
被害額:1480億$
2008年
四川大地震は、中国中西部の四川省で2008年5月12日に発生した大震災。
マグニチュード8.0を記録し、直下型地震としては世界最大級で、1927年の古浪地震や2001年のインド西部地震、日本では1586年の天正地震や1891年の濃尾地震に匹敵する規模だった。
地震によって道路や電力・水道・通信などライフラインが寸断され、家屋の倒壊は21万6千棟以上、損壊家屋は415万棟以上の他、世界遺産や文化財などにも多数の被害が発生し、被害総額は1480億ドルにも上った。
また、四川省だけで約7000棟の学校校舎が倒壊し、この地震をきっかけに校舎の耐震基準が中国で大きな問題となった。
第2位 東日本大震災
被害額:1550億$
2011年
2011年3月11日に東北地方で発生した大型の地震による災害だ。地震の被害よりも津波による被害が非常に大きかった。
また、スマートフォンが普及した後に起こった地震だったため、津波の様子などが被災者目線のものが多かった。
これら映像が世界中に衝撃を与えた。
また、津波により福島第一原発がメルトダウンを起こし、周辺住民は退去を余儀なくされた。
いまだに原発周辺の復旧は進んでおらず、何年後に元の状態に戻るのかは専門家の間でも意見が割れているようだ。
被害の広さ、原発の事故により被害額が大きくなり、約1550億$と見積もられている。
第1位 阪神・淡路大震災
被害額:1970億$
1995年
阪神・淡路大震災は、1995年1月17日に淡路島北部沖の明石海峡で発生したマグニチュード7.3の大地震。
兵庫県を中心に大阪府、京都府でも大きな被害を受け、死者数は6434人に達し、当時(東日本大震災発生まで)戦後最悪の災害と言われていた。
1948年の福井地震を契機に新設された『震度7』が適応された初めての震災であり、ライフラインは広範囲で寸断され、家屋被害は全壊10.5万棟、半壊14.4万棟のほか、7000棟以上の家屋が全焼した。
その他、道路7245カ所、橋梁330カ所、河川774カ所が壊れ、被害総額は10兆円以上(1970万ドル)にも上った。
また、この地震で支払われた地震保険の支払額は約783億円にも上り、地震保険に注目が集まる要因となった。
まとめ
金額で計ると経済大国であるアメリカがランキングに多く登場する結果となった。
だが、やはり日本を襲った2つの大震災は金額で見ても他の追随を許さないほど大きな規模であることが分かった。