子供の誤食に注意!毒がある身近なものランキング【食べるな危険!】

子供がいると自分たちが普段何気なく使っていもの全てが危険物に早変わりしてしまう。子供は何にでも興味を持って、触り、口に入れる。ボールペン、ハサミ、果ては階段まで。

これらのものは子供にとって危険だとすぐにわかるが、私たちが気付かないものも家の中に数多く存在している。

今回は実は危険な身近にあるものを紹介しよう。


目次

ハチミツ

甘くておいしい蜂蜜も食べる人が違えば危険なものに早変わりする。

離乳食で蜂蜜を摂取していた東京都内の生後6カ月の男児が先月末、「乳児ボツリヌス症」で死亡した。

引用元:蜂蜜にボツリヌス菌 男児死亡で改めて注意喚起「1歳未満の乳児に与えないように」|産経ニュース

蜂蜜には『ボツリヌス菌』という菌が含まれている場合があり、この菌が出す毒が危険なのだ。この毒はボツリヌス毒素と呼ばれ、全ての毒の中で最強の毒に位置付けられている。この毒が500gあれば地球上の人類は死滅するといわれている。

ボツリヌス菌は『嫌気性』という酸素に触れると死んでしまう性質を持っているので、基本的に土の中など空気に触れない場所に生息している。蜂蜜は土で育つ花からミツバチが集めたものなので、蜜の中に菌が含まれている場合がある。蜜の中は酸素がほとんど含まれておらず、嫌気性のボツリヌス菌も繁殖することができるのだ。

大人がこの状態の蜂蜜を食べても胃や腸で殺菌することができるので何も害は無い。だが、1歳未満の小児はまだ内臓がきちんと成長しきっておらず、腸でボツリヌス菌が繁殖してしまう。結果ボツリヌス毒素による便秘、麻痺、全身の筋力が低下などの症状が出た後、最悪の場合死亡してしまう。

スイセンの葉

水仙と言えば白くてきれいな花を咲かせる日本人に身近な植物だ。こんなに奇麗な花にも実は毒がある。全ての部分に毒があるが、とくに多いのは茎や葉の部分だ。水仙を知っている人は多いと思うが、どんな葉っぱをしているかまで知っている人は少ないはずだ。水仙の葉っぱは料理につかわれる『ニラ』によく似ており、ほぼ全ての事故がこれと間違えて食べてしまったことによるものだ。

水仙の毒はヒガンバナ科の植物の多くが持っている『ヒガンバナアルカロイド』だ。この毒を摂取してしまうと、頭痛、おう吐、発汗、こん睡党の症状が出る。致死量は10gほどであり、非常に毒性が高い。幼児はもちろん、犬や猫が噛んだりしても危険なので注意しよう。

桃の種

桃は甘くておいしい人気の果物。好きな果物ランキングでも上位に入ってくる。だがこの大人気の果物に毒があることを知っている人は少ない。実は桃の種には毒が含まれている。

毒の正体は『アミグダリン』という物質で、桃を含むバラ科の植物が持っている。アミグダリンは胃酸により分解され『シアン』と『ベンズアルデヒド』になる。この二つのうち、シアンが人体にとって毒性を示す。シアンは別名青酸とも呼ばれ、名探偵コ○ンなどの探偵漫画で大活躍する。

桃の種の中身を68g食べると致死量に達する計算になるので、1,2個なら問題はない。さらに、熟していない桃の方がアミグダリンを多く含むので完熟しているものを食べるようにすれば安全だ。

アジサイの葉

ジメジメした日本の梅雨を彩ってくれる花、紫陽花(アジサイ)。日本中どこにでも生えており、日本人に身近な花だ。

この綺麗な花には実は毒が含まれている。毒は花ではなく葉っぱの部分のみに存在している。報告されている中毒事故としては2008年に料理に添えられていたアジサイの葉を食べた10人中8人が食後30分以内に吐き気、目まいなどの症状を訴えたものなどがある。

毒の成分はいまだに特定されておらず、どの成分がこの症状を引き起こすのかは不明だ。京都薬科大学の調査によると、中国四川省産アジサイからは毒が検出されたのに対し、京都産のアジサイからは毒が検出されなかった。品種によって毒の有無や含有量が異なるのではないかと推測されている。

人間が間違えて食べてしまうということは少ないかもしれないが、犬や猫が食べてしまうと最悪の場合数日で死亡してしまう可能性があるので注意が必要だ。

ちなみに、アジサイの葉っぱを食べるカタツムリはこの毒に対して耐性を持っていることが分かっている。

しょうゆ

醤油は日本人にとって無くてはならない調味料の一つだ。刺身、冷ややっこ、卵かけごはんなど醤油がないと食べられない。だが、醤油も直接飲んだりして大量に摂取してしまうと美味しい調味料から毒へと変貌する。

醤油には大量の塩が含まれており、この塩分による毒性が発生する。塩は生物が生きていく上で必要不可欠なものとされているが、何事も取りすぎはよくない。

小さい頃にナメクジに塩をかけてしぼませて遊んだことがある人が多いはずだ。これはナメクジの皮膚が塩は通さないが、水は通す性質によるものである。そのためナメクジの体内にある水分が塩が大量にある外側に出ていきしぼむのだ。

人間の体でも程度は違えど同じ現象が起こる。醤油のように大量に塩が含まれているものを飲めば体内から水分が出て行ってしまい、脱水症状を引き起こす。最悪の場合は死に至ってしまう。特に小児は体内にある水分量も少なく、脱水症状が重症化しやすいため注意が必要だ。

ちなみに、海水を飲んではいけないのも塩分濃度が高いためだ。

ナフタレン

ナフタレンは『コールタール』を精製して作られる物質であり主に防虫剤に使用される。コールタールは『石炭』の加工過程で出てくる副産物だ。ナフタレンは『昇華性』という性質を持っており、固体から液体にならずに気体になる。そのため、タンスなどに入れておいても洋服が濡れることなく防虫性を発揮できる。

少し考えれば分かると思うが、虫を殺すことができるということは人間にも悪影響がある。気化したナフタレンを吸い込むと血液中の赤血球が破壊される。赤血球は体中に酸素を運ぶ役割をしているため、酸欠状態になってしまう。そのため、極端な疲労感、食欲不振、不眠、チアノーゼといった症状が現れる。幼児などが誤って防虫剤を食べてしまうなど、大量のナフタレンに暴露されると蒸気のような症状が出た後に意識混濁、最悪の場合死亡してしまう。すぐに病院に連れて行かないと取り返しがつかないことになってしまう。

最近の研究ではナフタレンに長期間さらされていると、発がん性があるという論文もある。防虫剤は自然由来のものにした方がよさそうだ。

ホウ酸団子

ホウ酸団子はゴキブリを駆除する目的の仕掛けておくタイプの殺虫剤だ。年輩の方が住んでいる家で見たことがある人が多いはずだ。

一般家庭で使われることが多いことから毒性は強くないと思われがちだが、実は非常に毒性が強い物質だ。致死量は、成人で 600mg/kg、乳児で200mg/kgほど。
10kgの子供なら2gほどで致死量に達する。団子一個当たり3g程度でホウ酸含有率は15%のものが多いことから、体重10kgの子供なら4個~5個食べてしまうと危険だ。

最近のホウ酸団子は食べられないようにプラスチック容器に入っているものも販売しているので小さい子供がいる家庭はこちらの商品を選ぼう。

除光液

人間の嗅覚はよくできていて、体に悪いものは刺激臭として感じ取ることができるようになっている。マニキュアを落とす時に使う除光液は明らかに『刺激臭』がするので、どう考えても体にいいものではない。除光液の主成分は『アセトン』という物質で理系の大学で実験をしていた人にはなじみが深いものだ。

アセトンは中枢神経を抑制する働きがあり、吸い込むと眠気、記憶力低下、意識混濁などの症状が出る。長期的に吸い込むと、生殖機能の低下や発がん性があるという研究結果も存在する。

そのため、『労働安全衛生法』で第二種有機溶剤に指定されている。取り扱いには、『有機溶剤作業主任者技能講習』を受けた人間を選任し、安全な作業環境下で使用することが義務付けられている。さらに、作業従事者は半年に1回の健康診断が義務付けられている。

このような物質を閉め切った室内で使っている女子はアセトンの危険性を知っておいた方がいいかもしれない。

消毒液

現代社会は”抗菌””殺菌””除菌”などの言葉があふれており、一般人の健康に対する意識が高いことが分かる。雑菌を口から入れるとお腹を下したり、病気になったりするという情報が数多く発信されたからだろう。

そのため、一般家庭にも消毒液や除菌シートというものがごく当たり前に使われている。消毒液は『エチルアルコール』が主成分だ。エチルアルコールは別名エタノールや単にアルコールと言われたりもする。要するに酒に含まれているものだ。これを子供が飲んでしまうと健康に悪いのはすぐにわかる。

6歳から12歳までの、わりと年上の子どもたちのほうが、意図的に手のアルコール消毒液を口にしており、健康被害の度合いも(年下の子どもたちより)深刻になりがちだ。これは、故意悪用している可能性すら示唆するものだ。

引用元:米国疾病管理センター

アメリカではこのように子供がわざと消毒用アルコールを飲んで、健康被害が多発している。

さらに、消毒液で消毒するよりも石鹸で手を洗った方が手の雑菌を減らすことができるという研究結果が世界各国から出されている。これを機に、消毒液から石鹸に買い替えてはいかがだろうか。

水は全生物が生きていく上で必ず必要なものだ。耳にタコかもしれないが、水すらも取りすぎると体に悪影響を及ぼす。

人間の体には体を常に一定の状態に保とうとする働き(ホメオスタシス)がある。これは生きていく上で重要な働きだ。体温が下がれば震えたりして上げる方向に働き、上がり過ぎれば汗をかいて体温を下げる。この働きは体温だけでなく色々なものに働いている。

代表的なものでいえば塩分だ。激しい運動をした時に体温を下げるために汗が出る。汗をかくと、塩分も一緒に出ていくため、体内の塩分濃度が下がってしまう。そこで、塩分が含まれていない水を飲み続けると水で体内の水分が薄まってしまい更に塩分濃度が低下してしまう。

この時、体はホメオスタシスが働き、塩分濃度を一定にするために水を尿として体外に排泄してしまう。この結果、水を大量に飲んでいるのに脱水症状に陥ってしまうということが起こる。部活の時にスポーツドリンクを飲めといわれるのはこの現象を防止するためだ。

小さな子どもは大人以上に大量に汗をかく。その時に水ではなくミネラルが入った飲み物を飲ませた方がいい。

母親「水はこまめに飲ませていました!!!」医師(ああ。それが原因だよ。)という事例は小児科医からよく聞く話だ。

タバコ

タバコの中毒性分である『ニコチン』。このニコチンは非常に毒性が強いことでも有名だ。致死量は50mgほどであり、猛毒に含まれる。タバコを吸うときは火をつけてその煙を吸いこんでいる。ニコチンは247℃で熱分解されるため、普通に吸う場合には葉っぱに含まれている内のごく少量を吸いこんでいることになる。

だが、タバコを食べてしまった場合は別だ。含まれているニコチンは全て吸収されることになる。成人で3本、乳幼児なら1/2本~1本で致死量に達してしまう。子供が出来たらタバコをやめた方がいいというのは子供の健康のためだけではなく、子供の誤食による死亡事故を無くすためでもあることを知っておこう。
タバコの箱に書いてあるニコチンの量は機械に喫煙をさせて測定しているので実際に1本に入っている量とは異なる。

まとめ

どうだろうか。

この全てが危険だと知っていた人は相当な育児上手だろう。(過保護とも言えるかもしれないが・・・)

知らなかった人はこれを機に家の中のものを見直して、危険なものは子供が手の届かない場所に移動させるなどしよう。

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