日本に生息している昆虫の最強毒性ランキングTOP10

現在、日本に生息している昆虫は約3万種と言われている。

その中でも、

「え?!この虫、毒持ってたの??」

といった意外な昆虫もかなりの数存在している。

今回はそんな危険な昆虫の中からTOP10と厳選し、日本で見られる昆虫毒の最強ランキングをご紹介しよう。

 

目次

第10位 マダニ

  • ラットの中枢神経系において300mg/kg
  • 生息地:日本全国に分布。主に山野から草むら

日本全国のどこにでも生息し、特に家屋・湿った場所・ペットの体毛など、人の生活空間から非常に密接した場所に潜んでいる。そのため、人と接する機会がとても多い。

マダニは吸血昆虫として知られるが、多くの吸血昆虫が針状の口吻を肌に突き刺し吸血するのに対し、マダニは噛む事で吸血する。

この時、マダニを媒体として細菌に感染する例が多く、そのせいで「ライム病」を発症する事がある。

その初期症状には頭痛や発熱が起こり、経過するにつれ、心機能に何らかの影響を与える事もある。

第9位 ドクガ

  • 急性経口毒性(LD50) 2,000mg/kg(ラット)
  • 生息地:本州以南の日本各地に分布

チョウ目ドクガ科に分類される。

ドクガの武器は、全体にびっしり生える体毛の毒針。

この毒針毛が肌に触れただけで触れた皮膚の周りは赤く腫れ上がり、数週間、かゆみを伴ったり、発熱したり等の症状がある。

ドクガの怖いところは、直接触れなくても、その毒針毛が風で飛ばされる事によって肌に当たり、それにより毒の被害を受ける事がある…という点だ。

第8位 クマバチ

  • LD50 値 300 mg/kg 以上(マウス)
  • 生息地:北海道南部から屋久島にかけて分布

ミツバチ科クマバチ属に属する。

全長は2センチを超えるずんぐり体型で、胸部に黄色い体毛を持ち、全体的に黒色である。

毒針を持つのはメスのみ。

極めて温厚的な性格として知られるが、誤って巣に近づいたりテリトリーに入ったりすると、集中的に襲ってくる事がある。

毒自体はそれほど強くないが、アナフィラキシーショックには注意が必要。

第7位 ムカデ

  • ラットでLD50.2,000 mg/kg (詳細には未解明)
  • 生息地:熱帯雨林、日本全国にかけて分布

ムカデ類に属する節足動物で、非常に活発で肉食であり、ムカデ被害は全国各地で見られている。

顎肢に毒腺を持ち、捕食対象の運動機能を麻痺させる毒を持つ。

その毒の強さは人体にまで影響する。

現代では神経毒を持つと考えられているが、その成分・仕組みの詳細は未解明

噛まれると強烈な痛みを伴う上、アナフィラキシーショックには要注意。

第6位 ヒアリ

  • ラットで半数致死量LD50 = 0.36 mg/Kg
  • 生息地:南米・アマゾン。その後、貨物船等に紛れてアメリカ、オーストラリア、中国、日本へ分布

アリ科フタフシアリ亜目に属するアリの1種。

原産は南米大陸だが、2017年には日本でも発見されており、貿易の貨物船によって運ばれたヒアリが、神戸や愛知県、茨城県、横浜、福岡県など、関東から九州に至るまで確認されている。

本種の毒の成分の95%はピペリジンアルカロイドとタンパク質で、細胞毒、溶血性、壊死性等をもたらす。

その症状としては、めまい、頭痛、激しい胸痛、嘔気、重度の発汗、低血圧、呼吸喪失、強い回転性めまい、ろれつが回らなくなる等があり、重度になると、神経障害や発作、脳梗塞、ネフローゼ症候群をもたらす。

アナフィラキシーショックを起こして放置すれば、死の危険性もある。

ヒアリの毒性は非常に強いが、外来種の域をまだ抜けない為、この位置に留まっている。

日本全国で更に見られるようになれば、ランキングは更に上がるだろう。

第5位 ハイイロゴケグモ

『引用元:Mfield, Matthew Field, http://www.photography.mattfield.com, GFDL 1.2, via Wikimedia Commons 』

  • LD50(​動物種不明)0.43mg/kg
  • 生息地:オーストラリア又は熱帯地方原産。日本では神奈川県横浜市の横浜港・本牧埠頭で初めて発見され、その後、東京都・愛知県・大阪府・福岡県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県でも確認

ヒメグモ科の1種で、神奈川県で初めて発見された後は、関東から沖縄県に至るまで、非常に広い範囲で確認されている。

神経毒のラトロトキシンをメスだけが持ち、噛まれると激しい痛みや嘔吐を伴い、最悪の場合、アナフィラキシーショックにより重度化がする恐れがある。

攻撃性はそれほど高くないが、強力な毒を持っているので注意が必要。

第4位 オオスズメバチ

  • LD504.1mg/kg(マウス)
  • 生息地:東南アジア、東アジアにかけて広く分布

日本全国に分布しており、世界でもその脅威が知られる

日本で生息するハチの内で最強の毒を持ち、また攻撃性も高い事から、全国的に被害対策・防衛対策が図られている。

刺されると強烈な痛みを伴う上に、アナフィラキシーショックには充分注意せねばならない。

本種の毒の怖い所は、このアナフィラキシーショックを引き起こす可能性が非常に高い事である。

また集団で襲い掛かる習性を持つ為、アナフィラキシーショックを引き起こし易い事はもとより、刺傷被害そのものが甚大となる。

日本でも毎年被害報告があり、死亡例も見られている。

第3位 セアカゴケグモ

『引用元:Fir0002, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons』

  • 皮下注 マウス LD50 0.9mg/kg
  • 生息地:オーストラリアを原産地とし、ニュージーランド、ヨーロッパ諸国、東南アジア、アメリカに分布。日本では1995年11月に日本で最初に大阪府高石市で発見されて以来、現在では北海道から沖縄にかけて全国的に分布

ヒメグモ科に分類される有毒蜘蛛の1種。

非常に小型だがその毒は強烈だ。

神経毒のラトロトキシンを持っており、噛まれると痛みよりも全身症状が現れ易く、また即効性もある。

噛まれて10分程で症状が現れ、血圧上昇や呼吸困難を伴い、重度化した場合は2〜3日で死亡する例も報告されている

本種の毒の怖さはそれほど痛みを伴わない点で、「気づけば重度化していた…」という例が非常に多い事にある。

ハイイロゴケグモよりランキングが上位に来るのは、本種の攻撃性が更に高い為。

第2位 アリジゴク

  • LD50, 10 μg/kg(マウス、経口)
  • 生息地:原産地は中国。現在は日本全国に分布(縁側の下等の乾いた砂地)

ウスバカゲロウの幼虫として知られるアリジゴクだが、コイツを甘く見てはいけない。

このアリジゴクはなんと猛毒を持っているのだ。

毒の成分はフグ毒で知られる「テトロドトキシン」であり、その毒性は、通常のフグが持つ毒の約130倍も強い。

この毒はアリジゴク自ら生産するのではなく、その体内にいるバクテリアが生産している。

強烈な神経毒をもって捕食対象のアリを一瞬で殺し、その体液を吸う。

つまり捕食されるアリは、常にこの激烈な毒を味わっているわけだ。

しかし、アリジゴクの顎肢は人の皮膚を貫通できず、本種による死亡例は今のところない

毒そのものの強さでは、現在、日本に生息する陸上の昆虫のうち最強だが、上記の理由をもってこのランキングとなる。

第1位 カバキコマチグモ

『引用元:カバキコマチグモ|Wikipedia

  • LD50/0.005(マウス、経口)
  • 生息地:日本全土、朝鮮半島、中国に広く分布

フクログモ科に属する本種だが、日本に生息する毒蜘蛛の中では最強の毒を持つ。

その毒の成分はカテコールアミン、セロトニン、ヒスタミン、スペルミン等の複合型で、強烈な神経毒を併せ持つ上、重度化する可能性が非常に高い。

大人しい性格であり、田畑など、人の生活圏内から離れた場所に生息する為、人の咬傷例はそれほど多くない。

しかし誤って田畑等に入り本種に噛まれた場合、針でえぐられるような激痛が数日間続く事があり、重度化した場合は発熱、頭痛、呼吸困難、食欲減退等を伴い、最悪の場合はショック症状により死亡する事も想定される。

本種の毒の怖いところは、鎮痛剤が一切効かない点。

そのためショック症状を引き起こし易く、危険とされる。

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