日本最強の毒草ランキングTOP10

日本には四季折々の花が咲き乱れ、野草にしても様々な種類の植物が確認されている。

しかし「美しい花には毒がある」の例え通り、「こんな花にも毒が?」と言わせる意外な草花が日本には数多く存在している。

今回はその中でも特に毒性の強い植物を、ランキング形式でご紹介していく。

目次

第10位 ジギタリス

  • マウスにおいて経口投与でLD50:17,780 μg/kg
  • 生息地:生息地:中央アジアから北アフリカ、ヨーロッパ(日本には江戸時代に渡来)

ジギタリスはキツネノテブクロ属の総称として知られ、地中海沿岸を中心に、中央アジア、北アフリカ、ヨーロッパなどに分布する。

多年草だけでなく低木としても存在し、近年では日本各地でも見られる植物として有名だ。

ジギタリスは全草に毒を有し、中毒症状としては頭痛やめまい、不整脈や動悸といった心機能に直接影響する怖さを持ち、最悪の場合、死に至る。

現在医薬品としても使用されている。

第9位 シキミ

  • マウスにおいて経口投与でLD50:1mg/kg
  • 生息地:東アジアと北アメリカ。日本では本州(宮城県、石川県以西)、四国、九州、沖縄に分布

マツブサ科シキミ属に分類される常緑高木の1種。

主に中華料理で多用されるスターアニスに似ており、誤食して中毒症状を起こし、死亡例も確認されている。

花、葉、実、根、茎の全てが毒成分を持ち、特に種子はアサニチンを多く含んでいる為、食べると死亡する可能性が高い

第8位 クワズイモ

  • ラット経口毒性 LD50 = 405 mg/kg
  • 生息地:東南アジアから東アジアの熱帯域、日本では琉球列島から九州南部・四国南部

サトイモ科クワズイモ属の常緑生多年草。

その名の通り「食わず芋」として食べられない芋である事を表しており、その毒性の強さから食べる事はもとより、触れる事も危険とされている。

サトイモやハスイモとよく似ているため、こちらも誤食して中毒事故を起こす例が非常に多い。

第7位 グロリオサ

  • マウスにおいて LD50:5886μg/kg
  • 生息地:熱帯アジア及びアフリカ原産

イヌサフラン科グロリオサ属の総称として知られる。

高知県では、本種の観賞用球根の栽培が盛んに行われている。

コルヒチンやグロリオシン等の非常に強いアルカロイド性毒素を多分に含み、わずかの摂取量でも致死率が非常に高い。

日本国内でも近年、山芋と間違えて食べた男性が、その2日後に死亡している

第6位 キョウチクトウ

  • マウスにおいて LD50:17,780 μg/kg
  • 生息地:東北地方南部以南の日本全国に分布

キョウチクトウ属の常緑低木として非常に有名。

強心配糖体のオレアンドリンなど強力な毒成分が含まれており、軽い中毒症状ですら、嘔気嘔吐、四肢脱力、倦怠感、下痢、非回転性めまい、腹痛などが起こる。

本種の毒は数多の毒草の中でも特に強烈なものとして知られている。

本種の葉を僅かずつ食べさせた乳牛20頭の内、9頭が即座に死んだという例がある

第5位 クサノオウ

  • マウス1匹あたり1μg以下
  • 生息地:北海道から九州まで分布、東アジアの温帯域

ケシ科の一年草。

ユーラシア大陸一帯をはじめ、ヨーロッパから北アメリカにも分布しており、日本では北海道から九州まで広く分布している。

その毒はアルカロイド成分で、葉をちぎれば黄色い液体のようなものが出て、これが毒であると同時に治療薬にも使われる。

誤食した場合の中毒症状として、昏睡、呼吸器系等の麻痺、感覚末梢神経麻痺などを引き起こし、最悪の場合は死に至る。

また黄色の液体に触れると炎症やアレルギー反応を起こす事があり、触れる事すら危険とされている。

第4位 チョウセンアサガオ

  • ラットにおいてLD50:600 mg/kg
  • 生息地:南アジア原産。日本には本来は分布しないが、江戸時代から明治時代にかけて日本に入ってきた帰化植物

原産地は南アジアだが、日本にも江戸時代に既に入って来ている。

本草の毒の成分はヒヨスチアミン、スコポラミン等のアルカロイド性毒素である。

花から根まで全てに毒が含まれるが、特に根の部分の毒性が強い。

中毒症状としては沈鬱状態、瞳孔拡大、頻脈、幻視幻覚などの感覚機能への異常を起こす。

最悪の場合は意識障害を引き起こし、死に至る。

本種の毒の怖いところは即効性がある点で、経口摂取してから30分程度で症状が現れる為、治療が間に合わず、死亡する例がかなり多い。

第3位 ドクウツギ

Qwert1234, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons 』

  • ラット経口毒性 LD50 = 405 mg/kg
  • 生息地:日本固有の植物で、北海道から近畿以北に分布

日本の「3大有毒植物」として有名である。

主に北海道から本州にかけて分布しており、山地、河川敷、海岸、荒地等に自生している。

その名の通り猛毒種として知られており、中毒症状は呼吸器系等を完全に麻痺させ、即効性を伴いながら死に至らせる。

これ迄にも死亡事故の例は甚だ多く、日本国内に広く分布している事から「危険植物」として常に警鐘されている。

第2位 ドクゼリ

『出典:厚生労働省ホームページ

  • マウス腹腔内LD50:10 µg/kg
  • 生息地:北海道、本州、四国、九州に分布

ドクゼリ科の多年草であり、本種も「3大有毒植物」として有名。

食用セリと形態が非常によく似ており、また育成環境も類似している事から誤食する事件がたびたび起こっている。

かなりの毒性のため、中毒症状を引き起こした挙句、死亡に繋がる事も非常に多い。

毒成分にはシクトキシン等の猛毒が含まれており、人体の皮膚からすら吸収され易い。

中毒症状としては、痙攣、呼吸困難、嘔吐、下痢、腹痛、めまいなどが併せて起こり、意識障害を引き起こした上で死に至る。

第1位 トリカブト

  • ​ラットで 5.97 mg/kg(経口投与)
  • 生息地:日本全国の山林地帯、北海道から本州にかけて分布

キンポウゲ科トリカブト属の総称。

日本で最も有名な毒草の1つであり、毒の主成分はジテルペン系アルカロイドの「アコニチン」で、即効性がある上、微量の摂取でも致死率が非常に高い。

他の毒成分にも、メサコニチン、アコニン、ヒパコニチン、ソンゴリン等が複数混合しており、その毒素は全草に含まれている。

そしてそれぞれの毒素がほぼ必殺の威力を持っている

本種の毒の最も怖い点はその異常な迄の即効性で、摂取後、数秒で症状が現れ、心肺機能に直接影響し、即座に呼吸困難、心停止を引き起こさせる。

また更に厄介なのは、治療法も解毒剤も存在せず、誤って食した場合、自力で中毒症状を乗り越えねばならない点にある。

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