世界で最も高い薬ランキング

私たちの健康な毎日にとってなくてはならない存在である薬。

普段よく使うであろう風邪薬などをイメージすると、薬の値段はそれほど高いものではないと思えてくる。

しかし近年承認された薬の中には驚くような値段の薬があるのだ。

今回はこの薬の値段(薬価)を調査し、ランキングにしてみた。

病気の苦しみを取り除いてくれる可能性のある薬、ただその値段について知ったときあなたはどう思うだろうか。

今回のランキングに用いた薬価は日本かつ2021年時点でのものである。

 

目次

第10位 オプジーボ

  • 製造販売:ブリストルマイヤーズ・スクイブ、小野薬品工業
  • 薬価:17万5211円

オプジーボは免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれるタイプの抗がん剤だ。

免疫チェックポイント阻害薬とは、免疫細胞ががん細胞を攻撃する作用の低下を防ぐ作用を持つタイプの抗がん剤である。

近年の研究により、がん細胞は攻撃を加えてくる免疫細胞に対して、ブレーキをかける作用があることが明らかとなってきており、この作用に対して働きかける薬となっている。

発売当初から薬価が驚くほど落ちた医薬品としても有名だ。

第9位 テムセル

  • 製造販売:JCRファーマ
  • 薬価:88万4767円

この薬は骨髄移植後の急性GVHD (臓器移植後のドナー側の免疫細胞が、患者の臓器を攻撃してしまう免疫反応)を抑制するために用いられる薬である。

健康な成人から採集した骨髄液から細胞を培養することにより製造され、これを患者の静脈に投与して使用する。

第8位 アキャルックス

  • 製造販売:楽天メディカル
  • 薬価:102万6825円

アキャルックスは楽天メディカルが製造販売するがん治療に用いられる薬だ。

この薬は、点滴によって患者の体内に投与されると、がん細胞のみと結合する。

ここに医療用のレーザーを照射すると化学変化を起こし、特定のがん細胞のみをピンポイントで攻撃することのできる「光免疫療法」とよばれる治療法に用いられている。

第7位 エンスプリング

  • 製造販売:中外製薬
  • 薬価:153万2660円

エンスプリングは日本の中外製薬が開発した、視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)の治療薬だ。

この病気は主として、脊髄や脳、視神経などの中枢神経系に、自らの免疫細胞が攻撃してしまう自己免疫疾患のひとつであり、全身の様々な箇所に回復不能なダメージを与えてしまう難病である。

第6位 ヘムライブラ

  • 製造販売:中外製薬
  • 薬価:155万2824円

ヘムライブラは第7位にランクインしたエンスプリングの治療薬を開発した中外製薬による血友病の治療薬である。

血友病とは、血中の血液を凝固させるタンパク質が生まれつき不足または欠乏し、血が止まりにくくなってしまう遺伝性の病気である。

日本では年間でおよそ50~60人程度発症しているといわれている。

第5位 スピンラザ

  • 製造販売:バイオジェン
  • 薬価:932万424円

スピンラザは脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療に用いられる薬だ。

脊髄性筋萎縮症とは、遺伝子の機能の欠損が原因となって起こる病気であり、発症すると徐々に筋力が低下していく難病である。

新生児1万人に1人の割合で発症し、乳児に発症した場合、患者の90%以上が生後20か月までに亡くなってしまうとされる。

第4位 ステミラック

  • 製造販売:ニプロ
  • 薬価:1523万4750円

ステミラックは、損傷した脊髄を再生させる治療に用いられる世界初の薬で、日本のニプロと札幌医科大学が共同開発した。

患者の骨髄液に含まれる細胞を採集し、この細胞を数週間かけて培養し、これを患者に再投与して使用する。

第2位タイ キムリア

  • 製造販売:ノバルティスファーマ
  • 薬価:3246万7761円

第2位にランクインしたのはノバルティスファーマ社開発のがん治療薬、キムリアだ。

これは患者自身の細胞を使ってがん細胞を攻撃する、CAR-T細胞療法とよばれる治療法に使用される。

患者自身から免疫細胞を採取し、がん細胞を認識し攻撃できるよう遺伝子操作したのち、患者へ投与することによって治療が行われる。

第2位タイ イエスカルタ

  • 製造販売:ギリアド・サイエンシズ
  • 薬価:3246万7761円

こちらは米ギリアド・サイエンシズ社開発のがん治療薬だ。

薬のタイプとしては同位のキムリアと同じCAR-T細胞療法に使用されるものの、効果のあるがんの種類に違いがあり、症状に合わせて治療薬が選択される。

第1位 ゾルゲンスマ

  • 製造販売:ノバルティスファーマ
  • 薬価: 1億6707万7222円

なんと1億円を超す価格で1位となったのはノバルティスファーマ社の脊髄性筋萎縮症の治療薬だ。これは日本で初めて1億円を超した新薬となる。

この価格に決定されたのは、第5位にランクインしたスピンラザに対して長期にわたる効果が認められ、この11回分の費用に相当する効果があるとされたためである。

なお、アメリカFDA(米食品医薬品局)承認時には約2億3200万円もの価格が設定された。

 

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