日本の高層ビルと言えば東京。
田舎者ならこのように思っているはずだ。東京と言うと外国のように感じている田舎者も多い。
ということは、日本の高層ビルを上から並べてみると東京がほぼ独占しているのではないのか?こんな疑問を解決するためにこのランキングを作ってみた。今回は高層ビルのみで、電波塔(スカイツリーなど)は除いた。
10位 NTTドコモ代々木ビル 東京
高さ:239.85m
階数:27階
竣工:2000年9月
住所:〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目24−3 NTTドコモ代々木ビルアネックスI 1階
エンパイアステートビルなど、ニューヨークの摩天楼を代表する建物を意識して設計されたため、近隣の他のビルとデザインが異なる。そのため、近くを通る高速道路からも目立って見える。
一般の商業用ビルと異なり、NTTドコモの自社ビルの為、一般人が入ることはできない。
階数は27階で高さに比べ少ない。これは、27階より上層部は通信機器を設置してあるだけの空洞となっているためである。実際のビルであれば50回程度の高さがある。
このビルに大規模なアンテナや自家発電機が設置されたのは3.11の東日本大震災と言われている。震災の時に使えなくなってしまった基地局が多数存在したのでその教訓を生かしているようだ。次に想定されているのは首都直下型地震だ。実際に起こらないことを願うばかりだ・・・。
9位 東京都庁第一本庁舎 東京
高さ:243.4m
階数:48階
竣工:1990年12月
住所:〒163-8001 東京都新宿区西新宿2丁目8−1
円谷監督の怪獣映画『ゴジラ』を見ていた人たちにとっては馴染みがあるビルだ。ゴジラ対ビオランテ、ゴジラ対キングギドラに登場し、対キングギドラでは第二庁舎とともに破壊された。
バブル経済の時期に建築されたことにより、旧約聖書に出てくるバベルの塔をもじって『バブルの塔』と呼ばれていた。また、公の建物であり、多額の税金が使われたことで『タックスタワー』とも呼ばれることがある。
展望室は45階にあり、夜に訪れると東京の奇麗な夜景を一望できる。
8位 虎ノ門ヒルズ 東京
高さ:244.36m
階数:52階
竣工:2014年5月
住所:〒105-0001 東京都港区虎ノ門1−23−1
建築会社である『森ビル株式会社』が建設したため別名『森タワー』とも呼ばれる。
高さの公称は244mだが、これはヘリポートまでの高さである。他のビルが採用しているアンテナまでの高さを使うと255mということになる。建設段階でこの誤差は分かっていたのだが、高さを10m変更するとなると申請などの手続きがとても複雑なためヘリポートまでの高さを公称としている。
中には国際会議場やホテル『アンダーズ東京』、住居などが入っている。ここに住むことができれば日本経済界のトップに立つことも夢ではないだろう。
7位 JRセントラルタワーズ 名古屋
高さ:245m
階数:51階
竣工:1999年12月
住所:〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1−4
竣工時は名古屋で一番高い建物だったが、現在は6位のミッドランドスクエアに名古屋一の座を譲った。さらには2014年に今回のランキング一位のあべのハルカスに駅ビル高さ一位の座を譲ってしまった。幸いなことに、”単一の建築物で日本一床面積が広いビル”一位の座は守った。
1990年に建設する基本的な構想が練られていたが、その時は57階建てのビルになる予定だったようだ。しかし、建設場所の直下に地下鉄桜通線が通っているため深くまで鉄筋を打ち込めず、このようなツインタワーの形になった。
6位 ミッドランドスクエア 名古屋
高さ:247m
階数:47階
竣工:2006年9月
住所:〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目7−1
名古屋一高いビルの座をJRセントラルタワーズから奪い取った名古屋の新人高層ビルだ。このビルはトヨタ自動車、毎日新聞社、東和不動産が共同で所有しており、トヨタのお膝元である名古屋に高くそびえたっている。
最初の設計ではセントラルタワーズと同じ245mになる予定だったが、途中で2m高く変更され中部地方で一番高いビルとなった。この変更には世界のトヨタの意向があったことは言うまでも無い。
42階の展望室には直通エレベーターが通っており、ノンストップで行くことができる。このエレベーターは壁がガラス張りになっているので昇りながらも外の景色が楽しめる。
5位 ミッドタウン・タワー 東京
高さ:248.1m
階数:54階
竣工:2007年3月
住所:〒107-0052 東京都港区赤坂9−7−1
あの有名なホテル『リッツカールトン東京』が入居しているビル。他の高層ビルとは異なり、高層階は一般には開放されておらず、展望室などは存在していない。上層階はリッツカールトンの客室であり、ここに泊まることによってのみ景色を楽しむことができる。
他にもYahooやGAOなどの有名企業が入居しており、日本の中心であることをアピールしているようだ。
4位 大阪府咲洲庁舎(さきしまコスモタワー) 大阪
引用元:大阪府咲洲庁舎展望台(コスモタワー)|OSAKA INFO
高さ:256m
階数:55階
竣工:1995年2月
住所:〒559-0034 大阪府大阪市住之江区南港北1−14−16 大阪府咲洲庁舎
旧名称は、『大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC)』。建設当初は大阪市港湾局が管理をしていたが、2010年に大阪府に譲渡されている。
最初は252mになる予定だったが、同時期に大阪府が建設していたりんくうゲートタワービルが256mだったため、急きょ予定を変更し256mまで高くした。この案もむなしく、りんくうタワーゲートビルを正確に計測すると256.1mだったため3位の座を譲っている。
最上階にはカフェを併設した展望台があり、大人700円、小人400円で登ることができる。夜に登れば奇麗な夜景を見ることができる。
やはり大阪と言うべきか、とても面白い企画がここさきしまコスモタワーで行われている。
毎年秋頃に、ビルの2階から52階までの1,176段の階段を駆け上るイベント『THE RISE 256』が開催されている。こちらは一般3000円、中高生1000円で参加できる。ちなみに2014年の記録は6分54秒だ。恐ろしいほどの脚力・・・。
3位 りんくうゲートタワービル 大阪
高さ:256.1m
階数:56階
竣工:1996年8月
住所:〒598-0048 大阪府泉佐野市りんくう往来北1
10cmの誤差?で堂々たる大阪1位を獲得したりんくうタワーゲートビル。なぜこのようにポツンと孤立して建設されているのか。
これは高層ビル建設の話題でよく出てくるバブル経済が原因だ。バブル期にはこのビルの周りに多くの高層ビルが建てられる予定だったが、バブル崩壊後、関西を代表する企業(住友グループ・日本生命・サントリーや三井不動産・伊藤忠商事)が建設をやめたためにこのようになってしまった。りんくうタワーゲートビルだけは大阪府が主体だったので完成にまでたどり着いた。
しかし、大阪市から距離があるため、賃貸オフィスの空室が目立ち、大赤字を抱えている状態だ。
2位 横浜ランドマークタワー 神奈川
高さ:296m
階数:70階
竣工:1993年7月
住所:〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい2丁目2−1
街並みがきれいで、東京都心からのアクセスもいい横浜みなとみらい21の中心的な役割を担っている高層ビル。69階には展望室を備えており、定番のデートスポットとなっている。展望室までは時速45kmで動く高速エレベーターが直通している。実はこのエレベーターはギネスブックに載っており、世界最速のエレベーターとして知られている。※2004年に台北101に記録を抜かれたが、下りのスピードは未だに世界一だ。
また、ゴジラの映画にも出てきており対モスラでは上半分がへし折られた。この映画は1992年に放送されており、完成前に破壊されたことになる。
1位 あべのハルカス 大阪
高さ:300m
階数:60階
竣工:2014年3月
住所:〒545-8545 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1丁目1−43
2014年に完成し、現在日本で最も高いビルである。これだけの高さの建物を建てる際には飛行機の航路を邪魔してはいけないという航空法が関係してくるが、2007年に改正され現在の高さになった。
最上階の屋上にはヘリポートが設置されており、日本で最も高いヘリポートと呼ばれている。ヘリが無事に着陸したとしても、まだ300mもあるのだ。
58階~60階はハルカス300という名前の展望室になっており絶景が楽しめる。大人1500円で22時まで営業しているので夜のデートにもってこいだ。
まとめ
こうやって見てみると、高層ビルは東京にしかないという田舎者の考えは間違いだったと気づかされる。
しかし、ここまで東京、大阪、名古屋が独占しているという状況は今後の人口集中を占っているようにしか見えない。
かといって、鳥取や佐賀に高層ビルが建っても意味がないことも分かり切っているのだが・・・。