21世紀以降に衝突した隕石。【2017年最新版】

隕石が落ちると地球が滅亡する・・・。

 

映画や漫画などでそのように描写されることが多いためそのように思っている人が多いだろう。確かに直径が大きな隕石だとそのような事態に陥ることもあり得る。恐竜が絶滅した原因とされている隕石の衝突だが、その時の隕石は直径10kmほどと言われている。

しかし、地球は誕生してから45億年もの間存在し続けていることを考えるとそんなに脆くないことが容易に想像できる。地球の直径は12500kmもあり、直径1kmの隕石が衝突したとしてもバラバラに壊れるという事態にはならない。

実際に隕石の衝突により変温動物である恐竜は絶滅したが、私たちの祖先である哺乳類は生き残った・・・。

そんなに昔の話をされても分かりにくいので現代の地球に落ちたものを見てみよう。今回は21世紀に地球に落下した隕石を年代順に並べてみた。

目次

2002年 東地中海の火球

2002年6月6日、ギリシャのクレタ島とリビアの間の地中海上空で、小天体が爆発を起こした事件である。小型の原子爆弾程度のエネルギーで爆発したが、この天体の地球への接近は検出されていなかった。海洋上の空中で爆発し、破片(隕石)などは回収されなかった。
人工衛星や地震観測所で爆発は検出され、広島型原爆の2倍の規模のTNT火薬26キロトン相当の爆発エネルギーだったと見積もられた。人の住む地域で爆発していれば、大惨事が発生したと思われる。

引用元:2002年東地中海の火球|ウィキペディア(Wikipedia)フリー百科事典 最終更新 2015年10月3日 (土) 10:25

広島型原爆による被害は死者12万人負傷者6万人、全焼、全壊した家屋は6万棟。まだ、人口が現在のように密集していない当時でもこれだけの被害が出た。これが現在の都市部だった場合被害はこれだけでは済まないだろう。

今回は人が住んでいない海上で爆発したからよかった。地球の地表の7割は海なので海上に落下する可能性が高いのは分かる。だが、いつ人口密集地帯に落下するかわからないので宇宙の観測を頑張ってほしいところではある。

2002年 シベリアの火球

2002年9月25日に落下した隕石。落下場所はロシアのイルクーツク州のボダイボという町の近く。

落下場所の周囲100平方キロの範囲で隕石の破片や焼けた木などが発見された。落下時には地震のような強い揺れと強い閃光が確認された。後の調査で隕石は直径10mほどの巨大なものだったことが分かった。

アメリカの偵察衛星が落下時の軌道から落下場所を割り出したが、実際の落下場所と微妙にずれている。当時の宇宙開発の技術ではこの程度の制度だったのだろうか。

2007年 カランカス隕石

2007年9月15日にペルーとボリビアの国境近くにあるカランカス村に隕石が落下した。その時の爆風で1㎞離れた建物の窓ガラスが割れた。回収された隕石の破片は300gで、地表に落下した時の重量は1㎏ほどと推測されているが、持ち去られたものも多いので正確な隕石の重量は確認できない。

落下時にできたクレーターは直径約14m、深さ5mであり、中心鵜からは蒸気のようなものが立ち上っていた。クレータを見に来た600人を超える人々が吐き気や皮膚に障害が出てきたため、隕石の中に有毒成分が含まれていることが疑われた。しかし、後の調査で落下したカランカス村の土壌にはヒ素化合物が多く含まれており、この蒸気を吸いこんでしまったため健康被害が出てしまった。

落下の運動エネルギーが熱エネルギーに代わることでヒ素化合物が気体になった。健康被害を起こすヒ素化合物で主なものの沸点が一番低いもので160℃ということを考えると隕石の運動エネルギーを推測することができる。

2008年 TC3(アルマハータ・シッタ隕石)

科学者たちの観測により発見された後に地球に落下した初めての天体。落下した年から『2008TC3』とも呼ばれる。隕石雲の軌跡などから落下場所はスーダン北部のヌビア砂漠と推測された。当初は大気圏突入時にバラバラに壊れ地表に到達してはいないと考えられていたが、後の調査でヌビア砂漠から280個もの隕石が回収された。

宇宙にある時から観測されていたため、かなり正確なデータを採ることができた。大きさは直径4.1m、その速度は驚きの秒速12.9km(=時速46440km)衝突の際の衝撃はTNT火薬1.1~2.1kg相当と考えられている。この測定データはこれから地球に衝突する可能性がある天体の軌道予測にかなり有用ということだ。

2009年 スラウェシ島の火球

2009年10月8日にインドネシアの南スラウェシ州でとてつもなく大きな爆発が発生した事件。音と衝撃は半径10㎞に及んだ。この音を聞いた住民たちは『飛行機が近くに墜落した、近くに雷が落ちた、地震が起きた』などとパニックに陥った。近くにいた住民が光りながら落下する火の玉を見たという情報があったため、隕石の可能性が浮上してきた。

後の調査で、直径10mほどの隕石が大気圏に突入した際に摩擦熱による爆発を起こしたことが原因と特定された。爆発のエネルギーは50キロトンのTNT火薬に相当するとされている。これが地表で爆発していたらと考えると恐ろしい。

2013年 チェリャビンスク州の隕石落下

2013年2月にロシアのチェリャビンスク州に隕石が落下した事件は記憶に新しい。ニュースなどでらかの際の映像が数多く報道されたのでこの事件を知っている人は多いはずだ。その時の映像を見ると、隕石の後ろに飛行機雲のようなものができており、スピードのすごさが見て取れる。これだけ多くの映像が集まった要因は、SNSに多くの人が映像をアップロードしたためだろう。これだけの映像が集まるほど人口が多い地域に隕石が落下したにも関わらず、死者が出なかったのは不幸中の幸いだ。

しかし、隕石が空中で爆発した際の衝撃波で負傷者は1200人、重傷者は2人出てしまった。爆発の半径は約100㎞と推測され、4500棟の建物に被害が出た。このとき落下した隕石の大きさは直径17m、重さは70㎏ほどと推測されている。大きさの割に軽く、そこまで威力はなさそうだがこれだけの被害を出す隕石の恐ろしさをまざまざと見せられる結果になった。

2014年 AA

事前に発見されており、名前が付いていた小型の天体『AA』。AAと言われると『プギャ――m9(^Д^)――!!』こっちが先に頭に浮かんでしまうのも2chによる影響が強いせいだと思われる。

このAAは発見後に地球に衝突した二つ目の天体であり。衝突したといっても大きさは直径2~3mほどだったので、地表に届く前に大気圏内で燃え尽きてしまったようだ。

その後の調査で音波や、隕石の破片などから、大西洋上空で大気圏に突入したとされている。大気圏外にある2,3mの小さな物体を発見することができるほどに宇宙観測の技術が向上していると実感させられた事件だ。

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