人工物に見える不思議な岩たち

世界にはとても自然にできたとは思えないものが存在する。

しかし、それは確実に自然にできたものなのだ。

そんな人工的に作られたと勘違いしてしまうような光景を集めてみた。時間とお金があれば全て見てみたい・・・。


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ジャイアンツ・コーズウェイ

引用元:The Legend of the Giant’s Causeway|Convington

ジャイアンツ・コーズウェーはイギリスの北アイルランドにある海岸。1986年に世界遺産に認定されている。この海岸はとても不思議な形をしていることで有名だ。この海岸の岩は『花こう岩』からできており、全て『六角形の円柱』なのだ。

このような不思議な光景は、4000~5000万年前に火山活動により地表に噴出した溶岩が冷やされる過程でできた。溶岩が冷やされると体積が減り、割れてしまう。花こう岩や玄武岩などの『柱状節理』を起こしやすい岩は規則正しく割れるため、このような不思議な光景ができるのだ。

雪の結晶もベンゼン環も六角形、六角形は何か不思議な力が宿っているようにも感じる・・・。

妖精煙突

カッパドキアはアジアとヨーロッパの中間に位置するトルコにある世界遺産だ。この地は火山活動が活発で、噴火による火山灰が堆積してできた岩『凝灰岩』により形作られている。凝灰岩は脆く削れやすいため、雨や風などで少しずつ崩れてしまう。その結果、不思議な形をした岩が立ち並ぶカッパドキアができたのだ。

この地がカッパドキアと呼ばれ始めたのは紀元前6世紀頃のこと。今から2600年も昔からこの名前で呼ばれていたようだ。この不思議な場所にも人が住んでいる。妖精の煙突と呼ばれる不思議な形の岩の近くには、岩をくりぬいて作られた住居が残っている。

トルコと言えばトルコアイスが有名だが、本場のトルコアイスを食べに行くついでに見てみたい場所だ。

ペイント・クリフ

引用元: exploringtheearth.com

タスマニアのマライアアイランドにはとても不思議な岸壁がある。マーブルチョコのような色合いの『ペイント・クリフ(直訳:塗られた壁)』という場所だ。

この場所の近くは『化石海岸』という名前で呼ばれており、約3億年前に堆積した貝などの海洋生物の化石が無数にある。ペイント・クリフも例外ではなく、2億年前に形成された砂岩の美しい縞模様を見ることができる。

今自然豊かなタスマニアではなく、東京にペイント・クリフがあったら、確実に誰かの落書きとしか思わないだろう。なぜこのような鮮やかな模様ができたのだろうか?

デビルスタワー

『デビルスタワー』はアメリカ・ワイオミング州にある標高1500mの岩山。もともとはデビルスタワーの山頂が地面だったとされている。二億年前の火山活動により、周囲の地面を突き破り溶岩が噴出した。その後、周囲の地面は雨や風により浸食されて無くなっていったが、溶岩は周囲より硬かったため浸食されずに残ってしまった。これがデビルスタワーの成り立ちである。

この山が有名になったのはスティーブン・スピルバーグ監督の映画『未知との遭遇』で登場したためだ。それまでは地元の人しか知らない山だったそうだ。

先住民の言い伝えでデビルスタワーの縦じまはグリズリーが引っかいてできたというものがある。先住民たちに話を聞いていた通訳が間違えて翻訳してしまい、デビルスタワーと呼ばれるようになったようだ。

どう考えてもグリズリーが引っかいた程度ではこの縦じまは残らないはずだが、言い伝えや伝承というものは大げさな方が面白いと思うのは私だけだろうか?

デビルズマーブルズ

オーストラリアのノーザン・テリトリーにある広大な平原に突如現れる、人の手で作られたような丸い岩『デビルズ・マーブルズ(直訳:悪魔のおはじき)』。

デビルズマーブルズがあるノーザンテリトリーには多様な民族が住んでおり、その中に有名なアボリジニ族もいる。この岩たちはアボリジニの言葉で『カール・カール』と呼ばれ、直訳すると『丸い巨石』という意味だ。

アボリジニの伝説ではデビルズマーブルズは虹色のヘビの卵と言い伝えられており、神聖な場所として扱われている。そのため、この地には”アボリジニの神聖な土地を保護する法律”(Northern Territory Aboriginal Sacred Sites Act)によって保護されている。

それもそのはず、この丸い岩たちは互いに支えあったり、丸い岩が丸い岩の上に乗っていたり、神が作ったとしか思えないような構造をしている。

もしデビルズマーブルズを見に行く場合は、現地の法律に従って汚さないようにしよう。

スプリット・アップル・ロック

ワインの有名な産地であるニュージーランドのタスマン湾にある、リンゴが真っ二つに割れた様な形をしている岩、それが『スプリット・アップル・ロック』だ。
(日本人である私からしたら、リンゴというより、もも太郎が生まれた時の桃の方が近いような気がする。)

この岩はかなり人気の観光スポットとなっており、カヌーで近づいて記念撮影をする旅行者が多い。

この岩は想像通り、もともと一つの岩だったものが真ん中でパッカリと割れてできた。しかし、物理学的にここまで大きな岩が奇麗に真っ二つに割れる可能性はかなり低いとされている。また、この岩が割れた原因などはまだ分かっていない。

ニュージーランドに訪れる機会があったら立ち寄りたいスポットだ。

モノ湖の奇岩

アメリカ・カリフォルニア州にあるモノ湖。この湖はとても強いアルカリ性で塩分濃度が高い湖だ。強アルカリ性という特徴が原因でとても不思議な光景を見ることができる。

モノ湖は流れ込む川が無く、全て雨により周辺からの流入水だけで成り立っている。そのため、流れ込む水に溶けている不純物は湖にたまり続け、pHと塩分濃度が上昇してしまう。不純物の中で『カルシウム』は特に量が多く、水中で石灰石の柱である『TUFA TOWER(トゥファタワー)』が形作られる。その後、水位が下がることで水面から見えるようになるのだ。

この湖は以前から観光名所として有名だったが、2010年12月2日にNASAが新型の細菌『GFAJ-1』を発見したことで一躍時の人?湖?となった。

キノコと鶏

引用元:白砂漠(エジプト・中近東)|Travelzaurus.com

エジプトのど真ん中、サハラ砂漠には不思議な場所がある。他の場所と異なり一面真っ白な砂漠、その名も『白い砂漠』と呼ばれている場所があるのだ。始めて発見した人は砂漠に雪が降ったのかと見間違ったに違いない。(砂漠に住んでいる人が雪を知っているのかは不明。)

この白い砂漠には”キノコ”や”ニワトリ”と呼ばれる不思議な形をした真っ白な岩が立っている。この二つの岩は石灰石(運動会で線を引く粉)でできており、長い時間をかけて浸食されてこの形になったようだ。この白い砂漠自体も『石灰石』が崩れたものにより白く染まっているのだ。

一度は見たいが、照り返しが強そうなので日焼け止めは必須だ。

蘆笛岩

蘆笛岩(ろてきがん)』はお隣中国の桂林市の西北郊外の光明山の山腹に位置する鐘乳洞だ。この場所は『広西チワン族』と呼ばれる民族の自治区の中にある。

この辺りは元々海の中に沈んでいた場所が地殻変動により隆起してできた場所だ。その後、中にたまっていた海水や雨水により長年をかけて浸食を受けて鍾乳洞が作られた。そのため、この桂林市には鍾乳洞が数多く存在している。その中で最も大きいのがこの蘆笛岩だ。

全長は2kmあり、そのうち入口から500mは船に乗ったまま観光することができる。中は色とりどりにライトアップされて幻想的な光景を見ることができる。

ライトアップの美しさだけでなく、自然にできた石笋、石乳、石柱、石幔、石花など、数多くの鍾乳石が唯一無二の空間を創り出しているところにも注目したい。

タプー島

上の画像を見たことがある人は多いのではないだろうか。これは世界一有名なタイのピンカン島にある『タプー島』だ。島と名前は付いているが、切り立った岩そのもの。この形の岩は『海食柱』と呼ばれ、波や風などで浸食を受けて長い時間をかけて柱状になった岩だ。

その中でもタプー島は今にも崩れそうなほど浸食されており、あと数十年もしないうちに見ることができなくなってしまう可能性があるようだ。

この島は映画『007~黄金銃を持つ男~』で登場したことにより一躍有名になり、今ではタプー島ではなく『ジェームズ・ボンド島』と呼ばれている。

無くなる前に一度は見てみたい島だ。

まとめ

見てみたい岩は見つかっただろうか?

このような岩が人工的に作られていても、全く見てみたいとは思わないが、自然にできたものだと見てみたくなるのはなぜだろうか。

やはり人間の本能の深い部分には自然への畏怖や敬意が刷り込まれているのだろうか。

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