現在の日本は医療の発展により、世界有数の『長寿国』となった。日本人の平均寿命は男性が80歳、女性が86.5歳までのびている。
しかし、今から1000年以上前の『平安時代』の平均寿命は現代人の半分以下だった。
貴族しか記録が残っていないので貴族のみの平均となるが、男性が33歳、女性が27歳と言われている。
貴族でもこれなので、平民たちは更に短命だったはずだ。
なぜ平安時代の人たちの寿命はここまで短かったのか。驚くべき理由を見てみよう。
3位 お風呂に入らない
当時の人々にとって、入浴するということは一般的ではなかった。平安時代と言えば『十二単(じゅうにひとえ)』が有名。当時の貴族の女性たちは一度脱ぐと着るのに時間がかかるため、なかなか脱ぐことは無かったとされている。
さらに、着物を12枚も来ているので動きにくく、同じ格好で過ごすことが多くなった。そのため、地面や着物と接している部分の皮膚が常に圧迫され、栄養が行き届かずに皮膚病に罹りやすい状態だった。
その上、定期的にお風呂に入る風習すらないということは皮膚病が起こっても仕方がない環境だったということだ。※他の時代でも風呂に入る風習は無かったが、布でふいたりはしていた。
2位 結核
これは王道中の王道。
結核とは「結核菌」という細菌が直接の原因となって起こる病気で、この菌によって”できもの”ができる。これが肺にできると肺の組織は壊死してしまう。進行すると死に至る可能性もある。
結核の治療薬である『キニーネ』が発見されるまで、世界中の人々が結核により死亡した。
また、病気の治療も『祈祷』などの魔術的なものが重要視されていて、悪化する人が多かったとされている。
1位 栄養失調
女性がものを食べる行為はみっともないとされており、身分が高い女性ほど食事をきちんととらなかったことが原因。
そのため、食糧が豊富にあるはずの貴族でさえ脚気にかかり死亡してしまった。
ただ、平安時代の絵を見てみると、女性はふっくらした顔をしていて、いいものを食べているようにも見える。しかし、これは決して太っているわけではなく、栄養失調によるむくみが原因とされている。
紫式部の日記の中で「女性は、はやくみまかるべきものなり」という一文が出てくる。これは、清少納言の痩せ細った姿を見て哀れに感じたために残した言葉とされている。
まとめ
平安時代と言えば、貴族は庭で蹴鞠をして、歌を詠み、夜這いをしていたというイメージだった。だが、実際は違ったようだ。
平安時代に生まれて優雅な生活を送りたいと思っていたが、現代の方がよっぽどいい生活だ。
そして、何でも食べて強くなろうとしていた武士に負けてしまい、武士の時代が来たのも納得できる。