有害図書という言葉が気になった理由は、自分が少年だった頃に読んで面白かった漫画が指定されていたということを知ったからだ。そこまで気になるような描写は無かったはずだが、いったいどうしてなのか。
もう成人した今は有害図書であろうが何だろうが、自己責任で読むことができる。逆に、有害図書を選んで読んでみるのも公の考えが分かって面白いかもとおもって調べてみた。
ちなみに有害図書は以下のように定義されている。
「有害図書」とは – 青少年の育成上好ましくない、わいせつ物や戦争に関する図書で 都道府県の条例(青少年保護条例など)により指定、規制されているが、その基準は都道府県によって異なる。
引用元:有害図書|はてなキーワード
バトルロワイヤル
原作・高見広春 漫画・田口雅之
全15巻
『中学生同士が最後の一人になるまで殺し合い!?』
バトルロワイヤルはあの世界の北野が映画化したことで一躍有名になった。元をたどっていけば小説がはじめに作られている。今までにないストーリーで、極東の全体主義国家『大東亜共和国』で無作為に選ばれた中学3年生1クラスが最後の一人になるまで殺し合いをするというもの。
自分が学生の頃は、「もし自分のクラスでこのプログラムが行われたらどうなるか。」を一人考えてしまっていた。色々策を考えても、結局はチキンなので最初にやられるキャラだろう。
設定は無理矢理感が強いが、やらないとやられるという不条理感、巧みな心理描写も使われておりなかなかいい作品だ。ラストも比較的救いがある終わり方できれいにまとめられている。
しかし、学生同士の殺し合い、かなり鮮明に描かれた絵のため問題視された結果、有害図書に指定された。
黒鷺死体宅配便
作・大塚英志 画・山崎峰水
全21巻
『死んでしまったあなたをどこへでも”宅配”します。』
新しいジャンルのホラー漫画。
死体を配達する黒鷺死体宅配便という組織が活躍するグロ漫画。チャネリング、エンバーミング、ダウンジング、テレパシーが使える4人とリーダーの五人がメンバーだ。
話に連続性がないため、どの巻から読んでも楽しめる作品だ。ブックオフなどで置いてある巻だけ立ち読みして面白ければ大人買いしてみるのもいい。
死体を宅配するというかなりブラックな設定と、奇麗な絵だからこそ描ける『グロ描写』により有害図書に指定された。
科学的な知識などもところどころに散りばめられており、グロイ話に抵抗がなければ楽しめる作品だ。『エンバーミング』という単語をこの漫画で初めて知ったという人もかなりの数がいるはずだ。
殺し屋1
著・山本秀雄
全10巻
累計発行部数 500万部
『グロい絵や残酷描写で視覚的にも精神的にも追い込んでくるグロ漫画』
こいつはヤバい。有害図書に指定されたのも納得のグロさだ。
とにかく暴力的な描写が多く、容赦がない。手足や陰茎を切断したりの肉体的苦痛やとてつもない性癖などの精神的苦痛の描写もある。グロい漫画には慣れていた私もしかめっ面になるほど。
ストーリーは歌舞伎町の暴力団たちの抗争を描いたもので、この抗争で主人公イチが様々な残酷行為を行っていく。話のテンポが良く全10巻をさくっと読める。
2001年には映画化もされており、R-18指定されている。性的描写ではなく暴力描写で指定を受けたのは今作が初めて。栄誉なことなのかは分からないが。
※グロ耐性があまりない人は、確実に気分が悪くなってしまうのでお勧めはしない。
マンホール
著・筒井哲也
全3巻
『こんなに面白い作品が有害図書?』
私が読んで最初に浮かんだ感想は『何故こんなに面白い作品が有害図書に指定されたんだ?』というもの。ストーリーも面白く、多少グロテスクな描写はあるがこれぐらいの描写ならどの漫画にもあるんじゃないのか?と思う程度。
ストーリーの舞台は神奈川県。事故で死亡した人から謎の寄生虫が出てきた。この寄生虫は人間の欲望を支配するという特徴を持っていて・・・。という話だ。詳しい話は是非自分で読んでみて欲しい。とにかくハラハラするし、本当にありそうな設定で恐怖も感じる。インパクトも強く私にとってとても衝撃的な作品だ。
一応有害図書に指定された理由としては、度重なる衝撃描写、社会のリアルな問題を取り扱った設定が問題視され田ということだ。
同作者の作品としては『予告犯』や『有害都市』が有名だ。有害都市はなんと、有害図書を扱った漫画なので作者としてもマンホールが有害図書に指定されたのは納得できていないようだ。
当て屋の椿
著・川下寛次
全15巻
クオリティが高いグロ時代劇漫画として読んだことがある人の間ではとても有名な作品だ。
ストーリーは江戸時代に春画(江戸時代のエロ本)の仕事がきっかけで猟奇殺人に巻き込まれた浮世絵師・鳳仙は、殺された女から盗まれていたものを探すため『当て屋』を訪ねる。探し物を探し当てるという当て屋は『椿』という女だった。
かなりグロい描写が多く、耐性が無い人には読むのがきついかもしれない。しかし、サスペンス?系の漫画ではオススメの漫画だ。下手をするとトラウマになるほどグロいので覚悟を決めて読んでほしい。
極黒のブリュンヒルデ
著・岡本倫
全18巻
この可愛い絵柄からは想像がつかないほどのグロいシーンが多数ちりばめられている。可愛い女の子が登場したと思ったら悲惨な死に方をしたり、いきなり訪れる臓物等の生々しい描写。作者が騙す気満々で描いているとしか思えない。
一度見聞きしたことを忘れない特殊能力を持つ高校生・村上良太が、幼馴染との約束である『宇宙人の存在を証明』を果たすために奮闘するというもの。この約束のために『NASA』を目指して学年トップの成績を維持し、天文部で毎日夜空を見上げて探し続けていたのだが、とんでもないことに巻き込まれてしまう・・・。
主人公の忘れない能力など、特殊能力を持ったキャラが多数登場するので読んでいても飽きが来ない作品だ。しかし、決して表紙に騙されないようにしてほしい。
多重人格探偵サイコ
原作 大塚英志 作画 田島昭宇
全24巻
『奇麗な絵で描かれた狂気の難解グロ漫画』
小林洋介という刑事が恋人の復讐のために猟奇殺人犯を殺害した。これがきっかけでもう一つの人格・雨宮一彦が出てくる。雨宮は探偵だったのだが、その関係で何人もの猟奇殺人犯に関わることになる。その中で殺人犯たちの左眼にバーコードの痣があり、雨宮自身の左眼にも同じものがあった。これに気づいた雨宮は事件の背後にある巨大な陰謀と自身の正体を知っていく・・・。
画力が高いからこそ描けるグロシーンに狂気を感じる作品。設定自体は面白いのだが、専門用語がバンバン出てきてそのたびにグーグル先生に質問をしなければならない。理解ができるとこれ以上に面白い作品は無いのではないかとも思ってしまう。
この高い画力と、多重人格をモチーフにしたことで有害図書に指定された。
血まみれスケバンチェーンソー
著・三家本礼
全13巻(2015年12月現在)
『エロありグロあり、女子高生ありの過激ゾンビ漫画』
第1話目からゾンビ・スプラッタ描写・暴力・おっぱいと、教育上よろしくない描写がてんこ盛りの漫画。作者はあえて有害図書に指定されに行っているのではないかとの考えが浮かんでしまう。しかし、意外なことに嫌悪感を持つ人は少ない不思議な漫画だ。
クラスメイトのネロが、自由研究で『死んでいるのに動く猫』を作りクラスで見せびらかした。その猫はクラスのゴッちんの愛猫だった。これが原因でいじめを受けるようになったネロは、クラスメイトたちを改造し、ソンビにしてしまう。スケバンのギーコは私物のチェーンソーを武器にこれを撃退していく・・・。という話。
中盤からはアホで豪快なバトルが繰り広げれるようになり、それが快感になってくる。他の人のレビューを見てみると同じ感想を持っている人が多数いるようだ。
多くのグロエロ描写も当然だが、クラスメイトを殺したり人体改造してしまうのが決め手となり有害図書指定をうけた。
デッドマン・ワンダーランド
作・片岡人生 画・近藤一馬
全13巻
『血で戦う少年の過激で王道な邪道漫画』
内容は特殊能力を使って戦う王道のバトル漫画。しかし、グロテスクな描写や子供が殺し合いをするという部分が邪道な漫画だ。特に絵が奇麗なところがグロさを倍増させている。だが、この漫画はグロいだけではない。人間の心理的な醜さや弱さがうまく表現されている。
主人公・五十嵐丸太はクラスメイト達と平凡な生活を送っていた。しかしある日『赤い男』が現れクラスメイト達を目の前で殺されてしまう。事件の犯人に仕立て上げられ、完全民営化刑務所『デッドマン・ワンダーランド』収監される。そこで自分が『罪の枝』と呼ばれる特殊能力を持つ人間『デッドマン』になっていたことを知る。その後、他のデッドマン達との戦い・交流を経て『赤い男』を巡る陰謀に巻き込まれていく・・・。
画力が高く鮮明にグロが描かれている点と主人公が子供なため有害図書指定を受けた。
バイオハザード〜マルハワデザイア〜
作・カプコン 画・芹沢直樹
全5巻
『カプコンの名作が漫画で登場!』
あのカプコンが誇る超メジャーなゲーム、バイオハザードを漫画化した作品。ちなみに、バイオハザードはシリーズ累計7800万本という驚異的な売り上げを達成している。
マルハワデザイアは舞台が学校ということでゲームのバイオハザードをプレイしたことがある人には違和感のある設定だ。しかし、クリスやピアーズなど、ゲームに出ていた懐かしいキャラたちが登場する。
ストーリーは2012年アジア最大の名門校・マルハワ学園が舞台だ。この学園内で『バイオハザード』が発生する。この情報を手に入れた大学教授とその甥リッキー・トザワは学園に向かう。そこの地下室でゾンビ化して監禁状態にされた女子生徒を見せられるのだった・・・。
ストーリーはゲームのバイオハザード本編のサイドストーリー的な位置づけになっているようだ。ゲームのバイオハザードファンには是非読んでほしい作品だ。
有害図書に指定された理由は単純にグロすぎるからということだ。
まとめ
いかがだろうか。
今回はグロさによって有害図書の指定を受けた漫画だけを集めてみた。グロい物は嫌いという人にはオススメはしないが、少しは大丈夫という人には自信を持ってオススメ出来る作品ばかりだ。
話の内容などは面白いものが多いので時間がある時に読んで見よう。
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