日本古来からいる妖怪。
アニメや漫画などではデフォルメされていたりして、あまり怖くない印象の妖怪もいる。
だが、実際に存在している伝承を調べると、普通に人を〇したり、再起不能にする妖怪が数多く存在している。
今回はそんな日本古来の妖怪たちをランキング形式で紹介していく。
10位 雪女
『引用元:百鬼夜行|鳥山石燕』
「お気に入りにならないと死ぬ」
雪女は雪の降る夜に白い衣姿で人前に姿を現す妖怪。
その姿を見た人間は、氷のような息を吐きかけられ凍死する。
雪女に気に入られれば、見逃してもらえることもあるが、雪女に出会ったことを誰かに話すと殺される。
昔話「雪女」では、雪女に殺されず見逃してもらえた「巳之吉」と人間に化けた雪女「お雪」の儚いラブストーリーが描かれている。
雪の降る日や雪山に多く出現するという性質上、遭遇率は低めなのでこの順位。
9位 海南法師
『引用元:地獄先生ぬ~べ~194話』
「海を見てはいけない日」
海南法師は、水難事故や古いしきたりで海に流された者の怨念である。
その姿を見てしまうと、発狂し死に至る。
伊豆諸島では、1月24日を海難法師が島々を廻る日として畏れ、現地の人々はその日は「海を見ない」で早く床に就いて外出を慎んで静かに過ごすという。
恐ろしい妖怪であるが、特定の日に海を見ないor海に行かないという対策があるため、この順位となった。
8位 耳無豚(みんきらうわ)
「股をくぐられると死ぬ」
奄美大島に伝わる妖怪。
夕方以降に夜道を歩いていると、先方から影のない耳なし豚のようなものが現れ、股をくぐろうとする。
くぐられた場合は魂を抜かれ死に至る。
足を交差させて歩けば、股をくぐれないので対策は簡単である。
7位 夜行さん(やぎょうさん)
『引用元:水木しげる第百怪第一巻』
「夜道で出会ってしまったら…」
大晦日や節分に夜道を首無し馬に乗って徘徊する妖怪。これに出会った人は、首無し馬にけり殺されてしまう。
しかし、頭に草履を乗せて伏していれば助かるという。とはいえ、いまどき草履で出かける人間はいないだろう。
スニーカーや革靴、ヒールで許してもらえるかはわからない。
加えて、大晦日や節分という油断しがちな時期に現れるというのも質が悪い。
6位 牛鬼
『引用元:化物尽絵巻』
「怪しい女にご用心」
海中や川淵に住んでいるとされる、大蜘蛛の体に牛のような鬼の顔がついている妖怪。
性質は凶暴で、人や家畜を見ると捕食しようと襲いかかる。
また、濡れ女という妖怪と結託して人を襲うこともある。
まず、川辺や海辺で濡れ女が通行人に声をかけ、赤ん坊を抱かせる。
その赤ん坊はたちまち重くなり、ターゲットが動けなくなったタイミングで牛鬼が現れるのだ。
手の込んだ連携プレーに一度かかれば、逃れる方法はない。
水辺で怪しい女がいたら、絶対に関わってはいけない。
5位 一反木綿
「巻きつかれたら最後」
鹿児島県に伝わる、約一反(長さ10.6m、幅30cm)の白い布のような妖怪。
ゲゲゲの鬼太郎でおなじみの妖怪である。
しかし実際に伝わる話によれば、夜になるとひらひらと飛んで現れ、人の首や顔に巻きつき窒息死させるという。
巻きつかれた時点で死が確定する、全速力で逃げる以外で対策ができないといった点を考慮し5位とした。
4位 蜘蛛火
「当たると死ぬ」
蜘蛛火は、奈良県桜井市に伝わる怪火。数百匹もの蜘蛛が一塊の火となって飛行し、これにあたると死ぬという。
基本的に多くの怪火は無害であるが、当たっただけで死ぬというのはなんとも恐ろしい。
情報が少なく、対策はとにかく当たらないことだけという点や、見た目のインパクトから4位にランクイン。
3位 縊鬼(くびれおに)
「自殺しそうになったときは…」
縊鬼は、人間に取り憑き、自殺させる妖怪。この妖怪に「首をくくれ」と命令されると断ることができないとされる。
これまで紹介してきた妖怪と異なり、姿が見えず、強力な自殺衝動をかけてくるという点でかなり凶悪である。
取り憑かれた時点で、誰かが引き止めてくれない限り死が確定するという理不尽さから3位となった。
2位 輪入道
『引用元:今昔画図続百鬼』
「その姿を見たら魂を抜かれる」
輪入道は、炎に包まれた車輪の真ん中に大きな入道の顔がついている妖怪。地獄少女でおなじみの方も多いだろう。
しかし、そんなイメージと異なり、この妖怪はこれまで紹介してきた妖怪以上に危険である。
輪入道は、夕暮れ時に下町から山の方へものすごい勢いで駆け上がるとされ、その姿を見たものは魂を取られ死に至る。
「此所勝母の里」と紙に書いて家の玄関に貼れば、輪入道と会うことはないとされるが、逆に言えば、会った時点で死は確定する。
事前に対策できなければ即死という点から2位とした。
1位 七人みさき
「死んでもなお…」
七人みさきは、七人の集団亡霊である。
七人の亡霊が一列に並んで歩き、これと行きあった人間は死を遂げる。
これに取り殺された人間は、新しく七人みさきの最後尾に加えられ、一番先頭にいた亡霊は成仏する。
七人みさきとなったものは、新しく人間七人を殺さなければ、成仏することができない。
こうして常に七人になるように、恐ろしい呪いは連鎖するのである。
また、有効な対策はなく、すれ違ったら最後である。
被害者は死んでも解放されず、七人みさきとして長い間徘徊しなくてはならない。
死んでも解放されないという点から、1位の座にふさわしい妖怪であると言える。