出来れば味わいたくない。人間が感じる痛みランキング

痛みは体の異常を本人に知らせるためにある。言い換えれば、異常をいち早く察知して身を守るためにあるのだ。そんな私たちの体を守ってくれるはずの痛みが時として命を奪うこともあるのだ。

よく聞くのは『出産の痛みを男性が味わったら死んでしまう』という話だ。実際に出産の痛みを男性に経験させることはできないため、そういう場合は出産を経験した女性に他の痛みを比較してもらうという手法でこの痛みランキングは作られている。

痛すぎて死亡という最悪の結果を避けるために、どんな痛みが危険なのか知っておこう。


10位 骨髄注射(骨髄穿刺)

痛いことが苦手な私は普通の注射を見ただけでも震え上がる。『注射の王様 』とも言われる骨髄注射(骨髄穿刺)は、注射の針を骨まで刺して骨の中にある骨髄から髄液を採取するため当然のことながら普通の注射より圧倒的に痛みが強い。

骨に針を指す前に局所麻酔を行うので刺す瞬間の痛みはそれほど無いが、骨の中にまでは麻酔が届かないので髄液を吸い出す時に激痛が走る。

髄液の中の細胞数が多いほど痛みが強く出る可能性が高く、若い人の方が痛みが強い。

9位 痛風

痛風は昔の日本人には馴染みがなかった。1960年代以降に欧米の食文化が入ってきて増加した病気だ。風が吹いても痛いということから痛風という名前が付いた。

患者たちからは「骨の中から何かでえぐり出されるような」、「足の指をペンチではさんで締め上げられるような」、「傷口にキリを差し込まれるような」と表現される。

痛風発作がよく起こる部位は足の親指の付け根で時間帯はが多い。痛風の原因は『プリン体』という物質で、これが体の中で尿酸に変わる。血液中の尿酸が増えすぎると関節内で結晶化してしまう。この結晶を除去しようと体の防衛反応が働き異常な痛みが出てしまう。

痛風になってしまったら、プリン体が多く含まれる食べ物(ビール、エビ、カニ等)が制限されるため、痛みだけでなく食事の楽しみも減ってしまうところがつらそうだ。

8位 陣痛

「鼻からスイカ」、「一か月以上溜まったう○こを無理やり出す」、「下痢の時の腹痛の酷いバージョン」等色々例えられている陣痛の痛み。『男性が経験すると死んでしまう。』という例えが昔からあるほど痛いものだ。

実際のところは男性が経験しても死ぬというようなことは無く、どちらかというと女性の方が痛みに弱いという研究結果まで出ている。他の痛みと陣痛を比較してもらったところ、癌などの痛みの方が痛いという人が多かったようだ。

だが、陣痛は他の痛みとは少し異なる。他の痛みは運悪く病気にかかったり、事故にあったりが原因だ。一方、陣痛は子供を作る時に必ず通らなければいけない。母親の大半は私たちを産むために望んでその痛みを受け入れてくれたのだ。普通は痛いことは避けたいはずだが、絶対にくることが分かっている痛みに立ち向かう母親。母は強しという言葉は正しいようだ。

7位 鎖骨骨折

骨折は想像通り痛みが強い。その中でも鎖骨は特に痛い部分だ。普通の骨折ならギプスや包帯で固定できるが、鎖骨は固定できない。そのため、日常のちょっとした動作で激痛が走ってしまう。

とくに笑ってしまった時は地獄が待っている。実際に笑ってみると分かるが、胸全体が動くことになる。その時に胸を支えている鎖骨に負担がかかる。これが激痛なのだ。

学生時代の部活で鎖骨を折ってしまうと痛がる姿を見るためにクラスメイトが笑わせてくるので地獄の日々となってしまう。鎖骨だけは折らないようにしよう。

6位 肺癌(末期)

日本人の死亡原因一位は悪性新生物(癌)。その中の6割以上を占めているのが肺癌だ。肺は大量の血液、リンパ液が通っており、あばら骨にも囲まれているため他の部位に転移しやすい。転移が骨に至った場合の痛みはかなり強い。

肺癌の辛さはそれだけではない。体内に酸素を取り入れるための器官が機能しなくなっていくので常に息苦しさに襲われる。「常に水の中で溺れているような苦しさ」と例えられることが多い。さらに、癌による直接の痛みはモルヒネなどの鎮痛薬で取り除くことができるが、息苦しさはそうはいかない。死ぬまで息苦しさと戦わないといけない。

5位 椎間板ヘルニア中にくしゃみ

引用元:腰椎椎間板ヘルニア|武蔵小杉はりきゅうここわ

『ヘルニア』とは体内の臓器が本来あるべき位置からずれてしまっている状態を指す。なので、脱腸や出べそもヘルニアの一種だ。その中でも脊髄の骨と骨の間にある『椎間板』がヘルニアを起こすととてつもない激痛が発生する。

歯の治療などで神経を触られたことがある人なら分かると思うが、麻酔をしていても痛みがある。神経を触られるというのはそれだけの痛みが伴う。触られるのが人間の体で神経が一番密集している脊髄だった場合、歯の神経異常の痛みがあるのは簡単に想像がつく。

椎間板ヘルニアは画像のように水色の椎間板が飛び出して神経を圧迫している状態になっている。これだけでも眠れないほどの痛みがあるが、この時にくしゃみをすると悲惨な痛みが待っている。

逆にくしゃみが原因で椎間板ヘルニアになる人もいるのでくしゃみには要注意だ。

4位 すい臓癌(末期)、癌性疼痛

引用元:膵臓がん

すい臓癌は大半が見つかった時には進行していることが多い。これは、初期症状が分かりにくいことと、すい臓が他の内臓で隠れる位置にあることが原因だ。

すい臓はすい液を作り、食べ物を消化する。すい液にはタンパク質を分解する、トリプシン、デンプンを分解するアミラーゼ、脂肪を分解するリパーゼなどの多くの消化酵素が含まれている。また、胃酸によって強酸性になっている食べ物を中和する為にアルカリ性になっている。

すい臓癌の末期ではすい臓が中身が漏れ出すようになり、すい液が他の内臓を溶かしてしまう。これが激痛の原因となってしまうのだ。自分の内臓が生きながらにして溶けていく苦しみはできれば味わいたくない・・・。


3位 群発頭痛

酒を飲み過ぎた次の日の頭痛はとてもキツイ。あの痛みの数段上をいく頭痛がある。『群発頭痛』という病名を聞いたことがあるだろうか。別名『自殺頭痛』とも呼ばれている。

数年に一度、数週間から数カ月間痛みの発作が起こる日が続く。これが群発という名前の理由だ。この期間の痛みは想像を絶するもので、痛みを苦にして自殺する人が多いため自殺頭痛という別名がついた。日本人の患者は自殺する人が少ないのだが、これは日本人が我慢強いからではない。自殺する人が多いのは欧米で、身近に銃があるので衝動的に頭を打ちぬいてしまうそうだ。

群発頭痛にかかるのは主に男性で、有病率は1000人に1人程度。大きめの中学校なら一人はいる計算だ。この時の痛みは「目の奥をスプーンでえぐられているような」、「きりで刺されるような」と例える人もいる。これが数カ月毎日のように続く。治療法も見つかっておらず、この病気にならないように祈るしかないようだ。

2位 尿路結石

尿路結石はじん臓から膀胱に続く尿管に出来る石だ。出来る石は90%以上がカルシウムによってできたカルシウム結石で、患者の70%は男性だ。結石ができて尿管が詰まり尿が流れなくなると『疝痛』とも呼ばれる世にも恐ろしい痛みを味わうことになる。

尿管結石だとはっきり気がついたのは、おしっこが真っ赤になった時です。おしっこはト イレの便器が赤く染まるほどの出血で、見た瞬間に最近の体調不良の原因が尿管結石によるものだったと分かりました。

引用元:尿管結石体験談2|尿管結石の激痛と闘った人たちの記録

おしっこが真っ赤になるまで病院に行かないのもどうかと思うが、これほど壮絶な体験をすることになる。経験者の中には「内臓を切れ味が悪いナイフで切り刻まれている感じ。」という表現を使う人もいる。

こんな痛みを味わいたくないならこまめに水分補給をして尿量を増やし、石ができにくくすることが重要だ。

1位 歯にフッ化水素酸

フッ素と言えば歯磨き粉。じゃあこのフッ化水素酸も歯に塗っていいのか?答えは絶対にNOだ。

フッ化水素酸=フッ酸はガラスやシリコン、アルミなどの加工を行う工業で使用されている毒劇物だ。腐食性が強く、触れると皮膚などが壊死してしまう。これだけだったら普通の酸と変わらないが、フッ酸はここからが怖い。

フッ酸から出るフッ化物イオン(F)は簡単にカルシウムイオン(Ca2+)と結合し、フッ化カルシウム(CaF2)になる。体内には血液骨、歯の中にカルシウムが大量に存在しているのでそこが腐食し、神経から痛みが発生する。適切な処置をしないと腐食は骨を伝って広がっていき、指先で触れただけでも腕から切断しなければならない可能性もある。

骨の神経、特に歯の神経が発する痛みは人間が感じる他の痛みよりも数段強いため、歯に直接塗ってしまった場合地獄の苦しみが待っている。

竹中院長は樹里ちゃんの歯にフッ化ナトリウムを塗り始めた。樹里ちゃんが「からい」とむずかると、竹中院長は春美さんに腕を押さえているよう指示、いやがる樹里ちゃんに液を塗り続けたところ、樹里ちゃんは床にもんどりうって落ち、苦しみ始めた、という。樹里ちゃんは唇が白くなり、血の混じった泡をふき始め、さらに、腹痛を訴え始めた。

引用元:八王子市歯科医師フッ化水素酸誤塗布事故|讀賣新聞 1982年4月22日朝刊

まとめ

どうだろうか。痛みは人間を助けることもあり死に追いやることもある。特に上位3つは絶対に味わいたくないものだ。

できるだけ健康に長生きしたいと痛感した。

 

コメントを残す